皆様は「つまみ細工」と呼ばれる江戸時代から伝わる東京都指定の伝統工芸をご存知でしょうか?

 

小さな布を折ったり、つまんだりを組み合わせて四季折々の花鳥風月を作ります。

 

つまみ細工の歴史は約200年前、宮中の女官や大名の奥女中が趣味としていた和小物の技法が始まりと言われています。

 

私は、小学生の時、修学旅行で京都に行ったときに、舞妓さんの髪に飾られていたかんざしがとても綺麗だったことから印象に残っていました。

 

そして、つまみ細工の作品を見る機会があり、その繊細さと鮮やかさに目を奪われとても感動しました。

 

最近でも七五三のお子様の髪飾りでよく見かけることがあると思います。

 

この華やかな「つまみ細工」

 

もちろん、いけばなとは技法も全く違いますが、季節によってその美しさを表現する考え方には同じものがあり、私も興味を持ちました。

 

基本は「のり板」・「のりべら」・「でんぷん糊」・「ピンセット」・「布」があればお花が作れます。

 

私が使っているのり板は「ひのき」で作られており、作っている間いつも香りがよくて癒されます。

 

小さい正方形に切った布をピンセットで折り畳み、糊をつけて一枚一枚花びらを作っていきます。

 

花びらの基本は、丸くて優しい形の「丸つまみ」と細くとがった形の「剣つまみ」

 

この2つの技法を組みあわせることで、たくさんの綺麗な「花鳥風月」を表すことができます。

 

何十枚~何百枚もの花びらをたくさん作りながら、それらを組みあわせてお花を作ります。

 

もうすぐ、「桃の節句:ひな祭り」なので桃の花と菜の花をイメージして、つまみ細工でくす玉を作ってみました。

 

 

こちらは、「桃の花」をイメージしたくす玉。

 

 

桃の花を優しいピンク色のちりめんで「丸つまみ」の技法を使って作りました。

 

中には、発砲スチロールの球体(大)が入っています。

 

 

 

そしてこちらは「菜の花」をイメージしたくす玉。

 

 

 

菜の花を黄色のちりめんで「丸つまみ」の技法を使って作りました。

 

中には、発砲スチロールの球体(中)が入っています。

 

葉は緑色のちりめんを使って「剣つまみ」の技法を使って作りました。

 

最後に、組みひもをつけて上からつるせるようにします。

 

 

 

それまで、こんな風に可愛く飾っておきます。

 

 

 

 

ふわっとした優しい「桃の節句」のイメージで本当にとっても可愛いです。

 

 

 

 

草月流らしく「スチールグラス」と合わせてオブジェ風に。

 

 

 

窓からの優しい光が入ってきてとても素敵です。

 

 

 

 

 

和の小物なのですが、洋風のお部屋、インテリア・雑貨にもよく溶け込みます。

 

一枚一枚、花びらを作る作業をしていると、本当に終わるのかなと心配になることもあります。

 

でも、完成したときの喜びと達成感で心配も疲れも吹き飛んでしまいます。

 

それだけ、このつまみ細工の伝統工芸の作品には魅力があるのだと思います。

 

 

 

 

手芸店に行くと、たくさんのつまみ細工のキットも販売されています。

 

でんぷん糊を使わず、ボンドでも代用できますし、ちりめんや糊がしみこみやすい布でしたら作ることが可能です。

 

もし、今日何も予定がなくて暇だなと思う日がありましたら、一度やってみて下さいね。

 

小さい作品なら、時間もかからず簡単に作れます。

 

 

和物が好きな方にプレゼントしても喜ばれると思いますよ。