“悲惨な現場”『クライシス・キャラバン』 | 『一人暮らしの猫飼い』

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●“悲惨な現場”『クライシス・キャラバン』
今現在の私は、あまり本を読まなくない人間だと思う。
書店で見かけた本に、関心を示し、手に取りレジに向かう事も有るが、何かにつけ理由をつけ、気付けば読まずに重なって行く本が何冊も有る。
あるいは、ネット上のニュースサイトあるいは、個人のブログ内での書評を読み齧り、あたかも自分で読んだ気にになっている時もあった。
実際の本を読んではいないのだが、先日あるサイトで紹介されていた本を知った。

●“悲惨な現場”を求めるNGOの活動がアフリカで招いた不都合な真実
(橘玲の世界投資見聞録より)
NGOの組織に所属する人間、良かれと思って活動を始めるが、支援者に対しての説明責任を果たそうとすれば、分かり易い成果が必要となる。
寄付金をす支援者、活動費用を出してくれるスポンサー。
その人達に対して、訴求効果が大きい成果。
いつの間にか、成果を上げるための活動になってしまうのかも知れない。
自身を、律する事は難しい。
律し続ける事は、さらに難しい。

目の前に、“金”が積まれた時に、本質を見失う。
見失う事に気付かない時に、道を踏み外す。

以前に読んだ本に、『将棋界の真相(河出書房)』(田中寅彦著)がある。
調べると、出版されたのは2004年11月、約10年前の本だった。
著者の田中寅彦は、プロの棋士で九段位をもつ。
将棋の世界では、プロとアマの格差は格段に大きい。
プロ棋士の立場で、世に知られていない話をいくつも書いていたと記憶しているが、その中で、プロ棋士の対局を、一般(アマチュア)を対象にした大盤解説について、こう説明していた記憶が有る。
『(素人を)判ったような気にさせるのが、解説だ』
限られた時間で、分かり易い解説を求められたとき、プロ九段を同じレベルで解説しても、理解できる人間は少ない。
プロ同士の対局で、素人が理解出来なくとも、判ったような気にせる、錯覚させること出来れば、素人は飽きずに関心を持ってくれる。
将棋に限らず、『クライシス・キャラバン』で取り上げられた、アフリカの“悲劇の現場”、活動するNGOの資金集めも同じ構造になっているのかも知れない。

最近、あるブログに気付いた。
栃木県で活動する、とあるNPO法人の活動について、元スタッフの方が、告発する形でブログを書いていた。
●元スタッフブログ

予備知識が無い人間が、そのブログ記事を読んでも正直よく判らない。
2度、3度読み込んで、なんとなく背景が判って来た。
正確に書けば、背景が想像できるようになった。
そのブログが、活動を批判する、(実態は不備だらけのようだが)NPOの保護団体の代表者のブログも見付けた。

●景柊が征く!

それぞれのブログの記事を読めば、当然自身の活動を正しいと考えている。
お互いに主張は平行線で、歩み寄りは難しそうだ。

犬を猫を保護したい。
保護する、個人、団体を支援したいと考える人が居てもおかしくない。
だが単に、支援物質を発送するだけ、支援金を送金するだけならば、(本質を見失う、)本質を見失った事に気付かず、道を踏み外す事になりかねない。

目の前に、“金”を積まれた時、
自分を律する事は難しい。
律し続ける事は、更に難しい。

そのNPO団体、代表者名で検索した際に、猫好きの方のブログも見付けた。
そのブログ内で、その団体に支援物質を送ったとの事で、送り先、寄付金の送金先も記事内に明記していた。
その方が援助したモノ(あるいは資金)が、犬や猫の為に使われたのかは判らない。
その記事を読んだ方が、賛同して、モノ(あるいは資金を)援助したかは判らない。
受け取った側は、犬猫の為に使ったと説明するはずだが、第三者がそれを支持できるかは判らない。