庭園ランキングと山本亭訪問
先日、テレビで足立美術館の庭師さんを特集する番組がありました。
番組の中では、普段見る事が出来ない庭師さん達の熱心な仕事ぶりが紹介されていて、頭の下がる思いで拝見しました。
足立美術館といえは、海外の庭園ランキングで毎年1位を獲り続けていることでも有名ですね。
ところでこのランキング、誰が選考しているの？
2位以下の庭園はいったいどこ？
疑問に思ったので調べてみました！
まずは2023年度10位までのランキングがこちら。
2位 桂離宮 (国有財産)
3位 山本亭 (旧個人邸)
4位 皆美館 (料亭旅館)
5位 庭園の宿 石庭 (旅館)
6位 松田屋ホテル (旅館)
7位 玉堂美術館 (美術館)
8位 二条城 二の丸庭園 (史跡)
9位 養浩館庭園 (旧藩主別邸)
10位 三景園 (空港記念公園)
どうですか？
有名どころもちらほらありますが、旅館に史跡、旧個人宅などジャンルがバラバラでおもしろいですよね。
しかも45位には火葬場の庭園もランクインしていました。
そんな場所まで視察に行っているとは驚きです。地元では有名な場所なのでしょうか。
そして、毎年このランキングを発表しているのはアメリカの『Sukiya Living』という雑誌で、雑誌の中のレギュラー執筆者や読者が選考しているそう。
国籍は様々で約30名の選考者が自費で日本に来日し、それぞれ100から200箇所の庭園をリストアップするとか。
一年間でそんなにまわるなんてよほどの庭園好きじゃないとできませんね。すごい…
さて、ランキングに戻ります。
よく見ると毎年5位以内に入っている山本亭は東京都にあるではありませんか。
上位にランクインするような庭園が近くにあるのに一度も伺った事がなかったので、実際に行ってみることにしました。
場所は柴又。駅前にはおなじみ寅さん像が。
いつの間にかさくらの像も設置されていましたよ。
山本亭は帝釈天のすぐそばにあります。
まずは個人宅とは思えないほど立派な門がお出迎え。
山本亭はカメラ部品メーカーの創立者である山本栄之助氏の住居として建てられたもので、伝統的な書院造りに西洋建築を取り入れた和洋折衷の建築が特徴だそう。
そして、庭園がこちら。
書院からの眺めを第一に考えた書院庭園である上、座敷を囲む廊下の外側にはガラス戸とガラス欄間を多用し、庭園や坪庭に向かって開放的な意匠を見せている点が大きな特色とのこと。
たしかにどこの部屋からもお庭がよく見えました。
また、庭園はそれほど広くはないものの、手前には池、奥には滝を配置するなど、奥行きを感じさせる工夫がなされていました。
裏には立派な藤棚も。
庭園を眺めながらお抹茶やコーヒー、ラムネなどもいただけます。
抹茶セットには季節の練り切りがついていて、今の時期は桜の練り切り。薄ピンク色の微妙なグラデーションが美しいですね。
ということで、Sukiya Livingランキング上位の山本亭 、とても素敵な庭園でした。
藤の咲く頃にまた伺いたいです！