よろぶんあんにょん♪
ドップリと本編暗~~いお話が続いているもちもちです。
が!!暗いお話を書いている反動か・・ちょこちょこと甘いのが書きたくなってしまう今日この頃です。
きっとこれは長い休みから解放されたせいかもしれませんね。
そんなこんなで仕事から帰った途端書き始めてしまいました。
短いですが・・お楽しみいただけたら嬉しいです♪
小春日和の平日の昼休み。
今から一時間ほど前、ミニョはいつもの通り仕事の真っ最中だった。
突然鳴りだした携帯に慌てて出てみると、聞きなれた心地良い低音が自分を呼んだ。
そして・・こちらの都合を一応聞いた後、今度は一方的に用件だけを言うと、同じように一方的に電話が切られた。
確か今日は郊外で撮影の予定だったはず・・・?
不思議に思いながらも指定された店の前で待っていると、指定時間きっかりに滑り込むように青いアウディが止まった。
無言で顎をしゃくるその人は、言わずと知れた韓国のスーパーアイドルにしてアジアのトップにも君臨する『A.N.JELL』のカリスマ・皇帝ファン・テギョン。
なぜ彼がこんな人の溢れる町の最も観光客の多い時間にこんな所に現れたのか・・・あまりにも無謀な行動にどきまぎしながらミニョは顔を隠すようにして車に乗り込んだ。
ミニョが乗ったのと同時に車が発進する。
急ぐわけでもなく・・さりとてのんびりしているふうでもなく・・車は一路緑豊かな公園へと向かっていた。
ビジネス街よりも少し離れているせいか、お年寄りや子供ずれの母親がちらほらいる程度で、あまり人がいない。
しかも今はお昼時。皆お昼ごはんを食べているので、テギョンには目もくれなかった。
サングラスをかけていても気づく者は気づく。だがテギョンはそんな事を全く気にするそぶりも見せず、悠々と歩いていた。
「お前自分の弁当は持ってきたんだろうな?」
その一言にうんうんと頷くと、テギョンは満足げな顔を見せた。
「あの・・・何処に行くんですか?あんまりうろうろしていると見つかっちゃいます。オッパは目立ち過ぎるんですから。」
すたすたと早足で歩くテギョンの後ろを、心配そうにキョロキョロと周りを伺いながらついて行くミニョ。
おかげで気がついた時には間に合わず、思いっきりテギョンの背中にぶつかってしまった。
「いった・・・・・」
テギョンの背中にぶつけた鼻をさすりながら、ミニョはゆっくりと顔を上げた。
「これ・・ちょっと持ってろ」
片手に持っていた袋をミニョに渡し、取り出したシートを芝生の上に敷く。
すると何を思ったのか自らそこへ座りミニョの腕を引き寄せた。
「ひゃっ!!」
どさっと倒れ込んだのはテギョンの胸の上。
恥ずかしさと驚きから顔を真っ赤に染めると、慌ててテギョンの上から降りようと腕に力を入れた。
倒れた瞬間に髪がふわりとテギョンの首や胸にふれる。
胸から顔を上げたミニョと視線が絡むと、ミニョの頬がさらに赤くなっていた。
とくん・・・・
とくん・・・・
とくん・・・・
仰向けになったまま肩肘だけで体を起こし、ミニョとの距離を埋める。
微かに開いた唇にそっと触れるように口づけると、ミニョの目が大きく見開かれた。
パチパチと音がするのではないかというくらい何度も何度も瞬きしている。
クス・・・・
その様子に思わずテギョンが笑うと、赤い顔が更に赤くなっていた。
「腹が減ったな」
テギョンはシートに横になったままそう言うと、ミニョの顔をちらっと見た。
サングラス越しに見える瞳にドキドキしながら、ミニョは少しだけ頬を膨らませてた。
いきなり呼び出されて・・・何も言わずこんな所まで連れて来られて・・・そしていきなりキスされて。
自分だけがドキドキとして、人目を気にしているのが・・・なんとなく不公平な気がした。
「おい?時間なくなるぞ?さっさと食えよ。」
何食わぬ顔で隣をポンポンと叩くテギョンに、また少し頬が膨らむ。
シートの中央ではなく、端っこの方に座ると、シートのお弁当を広げた。
「おい・・・どうしてそんな隅に行くんだ?こっちに来い。」
「私はここでいいです!」
面白くなさそうなテギョンをじろっと横目で見つめると、ミニョは再び箸を動かした。
チッと舌打ちが聞こえたが、ミニョは見ようもせず食事を続けていた。
もぐもぐと動いている唇が必要以上に尖っている。
ミニョがなんとなく怒っているのはわかっていた。
だが自分を必要以上に意識しているのはわかっていた。
その証拠に・・自分が黙った途端、やたら無駄な動きをし始めた。
何度も髪を耳に掛け(掛けるふりをしながら)手のひらの陰から自分を見てみたり。
無駄に背伸びをしたり。
何度も何度もスカートの裾を直したり。
今もまた髪を耳に掛けるふりをしながら、そっと自分の様子を覗き見している。
視線を感じてすぐ、パッとミニョの目を見つめる。
「今・・見てただろう?」
「み・・・見てません!!」
「いや・・見てたな?」
「見てません!・・・オ・・オッパの・・見間違いです!!」
「そうか?俺の見間違いか・・・」
「そうですよ!絶対に・・・見てませんから・・」
あくまで見ていないと言い張るミニョがなんとなく可愛い。
テギョンは再びくすりと笑うと、ミニョの腰を抱き寄せた。
「?!な・・何をするんですか?!」
驚くミニョの耳に素早く口づける。
「お前・・・可愛いすぎだ。」
「!!!!!!」
甘さをたっぷり含んだ低音で囁くと、ミニョの体温が一気に上がっていた。
手から箸が滑り落ち、持っていた弁当箱を落としかける。
咄嗟にそれを拾い上げると、テギョンはシートの上に置いた。
そのまま固まっているミニョの膝に頭をのせると、ニヤッと唇の片端を上げもう一度「腹が減った」と言った。
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