④はこちら
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フョードル・D。
彼のおそろしさとは、何からきているのだろうか。
異能が不明確なところ?
頭が切れるところ?
そんな生ぬるい部分だけを議論する場ではない。
なぜなら、それは「分かりきった答え」であり、明確な「解答」ではないからだ、おそらく。
それが「解」だとするならば、内から湧き上がる恐ろしさにも名前があり、対抗する術があるはずだ。
それがないという事は、「解」ではない。
太宰さんとフョードルさんの対峙シーンは、毎度緊迫感が違う。地獄を見せつけられたとして、あの、ぴんと張られた糸に触れれば一瞬にして消されるかのような緊迫感には勝てない。
それほどまでに、空気が違う。
フョードル・Dがいる世界とは、知る語彙で輪郭を表す事が不可能なほどに寒気のする場所である。
だから、「あの場所」に現れた太宰さんに驚くところが印象深く映るもので。そこからの恐ろしさは身をもって知っていた通りだったのだが。
わからない、読めないというのは、ぼんやりとしているようで、背筋の凍る感覚を生み出す圧倒的な力を持っているのだろう。言葉にできない。
弟たちが銃を持ち闘う姿を。
ひとりの少女が、兄を守ろうと爆弾を首につけている姿を。
彼がどう見たのかなど、想像すらしたくない。
あれについては、「地獄」であると思う心だけを、持っていたいと正直に思う。あれを楽しむ心など、持ってはならないのだ。
まだあの2人……いや3人について語っていないとは、なんということだろうか。
「悪趣味な異能だ」
きっ、きた〜〜〜〜〜〜〜〜!わたしはそれを待っていたのです社長〜〜!!!
いや、テンション。
社長は登場から「社長!!!」と息を呑みつつ声を殺しつつ心に刻んでいたのだが、はあ、すき。
結局そこに落ち着く。
苦しい時間の続く共喰い。
だからこそ、時を遡った場面での眼光の鋭さが印象深い。そして、滾った先述の言葉が生まれた場面も。
共喰いとは、いや文豪ストレイドッグスとは名台詞の宝庫であり忘れがたい言葉がそこら中に溢れている。
だから様々な場面で「きた〜〜!!!」と心がはねる音がしているのだが、先述の言葉もまた滾る。
しかしエリスちゃんへの態度がまた最高ですね森医師。
普段の落ち着いた「首領」としての姿からは想像のつかないデレデレなお顔。それに乗る辛辣なエリスちゃんの言葉もまた対比として最高にいい。
オレンジジュースの話はほんとうに、なんだろうね、咄嗟に考えついたとして、その発想はでないだろう。
「ヰタ・セクスアリス」
あんなにもかっこいい異能力の名を呼ぶ声があるか。
流麗で、しかし芯の揺るがない、美しくある異能力の名を呼ぶ声が、存在するのか。いや、存在したのだが。
社長と森医師の対立というと、洗練された美がある。
なんだろうか、武器がそう見せているのだろうか。
お互いの武器といえば、先端が鋭いわけで。
いや、きっとお互いの視線だろうか。
それとも、
「完全なる敵対関係」に見えないからこそ生まれる「美しさ」
なのだろうか。(あくまで個人の感想)
守り方の違い。交わる事はない。
それなのに、
信念において交点など見つからないはずなのに、
なぜだろう、平行線のはずなのに、
敵対する「火花」は見えない。これが、つまり「冷戦」なのだろうか。
その点、いかがでしょう
夏目先生。
___いや、夏目先生ですよ。
やはりいつ見ても、その姿に立ち向かおう、歯向かおう、なんて言葉は生まれない。
そこにいらっしゃるだけで、頭を上げるという選択肢が消えるほどの存在。それが、夏目先生なのか。
それを象徴するかのように、
一言目から空気が変わった。思わず息を呑んだ。
ひぇ〜〜〜〜〜〜。
違う。
こんなテンションでは実際なかったが、あの場に「夏目漱石」が出てくるといういつまでも大好きな大好きなシーンを回顧するたびハイになる。
ちなみに、
実際はといえば、
心臓が止まったように動きが一瞬止まり、息すらももちろん止まる。空虚の中に夏目先生の一言が入り込み、夏目先生の姿を見る。
そして、社長と森医師の言葉でその世界へと戻る。
そんな感覚。
それほど衝撃だったのだよ、夏目漱石という存在を目の当たりにするというのは。
「ストレイドッグに」
乾杯といえば、やはりこの言葉に帰結する。
彼の姿に、「殺さずのマフィア」は何を思うのだろう。
どんな言葉を、かけるのだろうか。
好物と引き換えに、ふわりと耳に残してほしいとさえ願ってしまう。
あの時代に絡む記憶が言葉として現れる瞬間というのは、胸が震えて正気ではいられない。だいすきなのだ。
最初のドッグスの皆さんの注意喚起から、カーテンコールまで、指先まで血の通った骨太の演劇を見せつけられた気分だ。あれは、どのような形であれ「浴びる」のが最適解。
演劇とは、表現とは、美しくもありかっこよくもあれば泥臭くもある。全てが詰まった世界だ。
楽しいだけではない。かっこいいだけではない。
だからこそ、抜け出せない。
それほどまでに強い感情と対峙する時間を、是非。
幕を下ろす日まで、ヨコハマで足掻く皆様をずっと応援していました。完走、ほんとうにおめでとうございます!
そして、最高に滾る世界を何度も見せてくださって、ありがとうございました!いつまでも文ステが、文ステで出会った感情たちひとつひとつがだいすきです。
「名前を呼ぶよ」のタイミング天才すぎました