久しぶりに日本に帰ってきた次の日、本社に行き俺を海外へ飛ばした張本人の課長に会ってきた。




あれからそこそこ経っていたが課長は俺のことを覚えていた。



「お久しぶりです課長。お変わりないですか?」


「おー櫻井。元気にしてるか?何年も日本にいなかっただろ?」


「意地悪な上司のせいでちっとも日本に帰ってくる時間をとらせて貰えませんでしたよ。
あ、忘れないうちに言っておきたいんですけどもう日本に戻らせて貰えませんか?もう僕はむこうには必要ないかと思うのですが」


「ハハッ、気に入られてしまったんだよ君は。
今まで向こうに出張行ったやつで1番長い年数いるんじゃないかな。

確かにもうそろそろ返してもらいたいな、こちらから言っておくよ」


「ありがとうございます。」






これでなんとか一安心といったところだ。



「いつまで日本にいるんだ?よかったら飲みに行かないか?」


「あー来週末にはまた戻ります。ちょっと帰ってから予定確認してみますね」


「おーそうか!連絡待ってるよ
あいつのとこには行くのか?」


「ええ、今から」


「そうかそうか
じゃあよろしく伝えておいてくれ。なかなか会えないんでね」


「はい。それでは」







とりあえずこれで課長へのあいさつと頼み事は終わったし、後はあいつのとこに行くか。






















「あ、翔さん!いつ帰ってきたんですか!」


「昨日帰ってきたんだ。仕事はどうだ?」


「翔さんいなくなってから大変なんですけど笑」


「ハハッ、そっかそっか。
中々向こうの人が帰してくれないからようやく帰ってきたしついでにこっちに戻して欲しいって言ったからまぁそう遠くないうちに戻ってこられるはずだよ」


「絶対ですからね?」





そう言われてもなぁ向こうの人は中々俺を離さなかったからなぁ






「あ、翔さん一緒にお昼行きません?」


「あー悪いんだけど今日は雅紀と来てるからまた今度な」


「彼氏さんも一緒に来てるんですね、
じゃあ今度絶対行きましょうね!」


「お、おう分かった

ま、また今度な」


「はい」











ようやく昔懐かしくなってしまったあいつにも会えて会社から出てきた。



さて、カフェで待っとけって言った雅紀はどうしてるだろうか


「あ、雅紀?今会社出てきたけどどこにいる?」


「あ、終わったんだね、今そっち行く!」


「いや、俺が  (ブチッ  ツー ツー)」




あ、俺が迎えに行くって言おうと思ったのにその前に切られちゃったよ笑


まぁ会社の前で待っててやるか













「しょーーちゃーーーーん!」





バフッ






「うわっ!おいそんな走んなくていいだろ」


「だってしょーちゃんに会いたくて仕方なかったんだもん」




わずかな時間しか離れてなかったのにこれほど寂しい思いをさせるとは
俺は相当酷いことをしていたのだな、海外を理由に






こんな街中のオフィス街で男同士が抱き合ってるってのもなんかあれだったから

「雅紀、お昼どうする?」



抱きしめている手を解いて顔が見えるようにして聞くと、


「しょーちゃんがお昼に行ってたとこはどこ?」


「あーあそこか、すぐだよ
そこがいいのか?」


「うん、だってしょーちゃんの職場の近くなんて来たことないし」






そっか…そういえば雅紀とはこうやって俺の職場まで来たことはなかったか…





なんか今までこうやって時間をとってやることもできなかったのが申し訳ないなと思った
早く気づけばよかったなぁ



そんな後悔が浮かびこれからもっと時間を取りたいなと思った。
















こうやって君といられるのはやっぱり幸せで、離れている間どれほど辛かったか


君がいなければ生活はだんだん荒れていくもので、君のためにと作る料理、君とのデートがしたくて色んな場所を調べて、色んな話をして、温もりがないのが寂しくて年中くっついていたよね






早く日本での生活がしたいなぁ













ずっとずっと大好きで愛してるからそばにいたいんだ











I can feel your heart, stay with me.















fin.