私は食後、いつも庭にいって花の香りで落ち着く




ふと、恋の香りがした





どの花かと思いながらそういえば、私は誰が好きなんだろうと思った




ずっと兄貴が好きだった

兄貴以外考えられない





だけど、さっき翔くんがきた


なんか嬉しくて





今までこんな気持ちになったことがあったのかな




ふと気付いた




こんなにも嬉しいのにその気持ちを素直に表せないなんて




ほんと焦れったいな



こんなことだけどうにもできない自分がもどかしい






兄貴に翔くんのこと好きか聞かれたら、多分




好きって言えない





絶対隠す





でもこんな気持ち隠しておけるわけもない





どうしよう






こういうときは家を散歩する





私の心がそのまま表れる散歩になるから






解決はしない


けど、問題の外観だけはくっきり出る






しばらく思うままに歩いていた





考え事しながら歩いてたせいで気づくのが遅れた




あっ、て気付いたときにはもう遅くて




兄貴に捕まっていた







捕まえた



ハグしてきたけど

私はなんか顔を見ることができなくて走り出した






だけど逃げて逃げ切れるわけもなく、すぐに兄貴に捕まった





逃げんなよ

絶対捕まえるって言ったんだから





そのまま喋らないでいると



優しく私を抱きしめ背中をさすった





また分からなくなったんだけど


やめてくんない?





何に悩んでんだよ

聞くから言えよ






やだ
言わない





私はそう言ってまた逃げようとした


でも今度は抱きしめられてる腕を解けずその場から動けなかった




言いたくなかったら言わなくてもいいけど

そんな態度とらないで





辛くなる






分かったよ

ストレッチくらい付き合うから




結局答えも出ないまま、また兄貴の言いなりになってしまった