1人部屋に戻った



なんか急に胸が熱くなった



この気持ちの昂りはなに?




兄貴が一緒に入ってくれるから?


それとも、一緒にいることに?




なんだろう


よく分かんない




段々呼吸も怪しくなり始めたそのとき、



美紅?大丈夫か?




兄貴が後ろからハグしてきた


兄貴のこと考えてたからびっくりして、体が固まってしまった



ごめん

驚かせたな




ううん

違うの




その先に言葉が続かず、黙ってしまった



美紅?なんかあった?

なに泣いてんだ?





えっ、泣いてる?私?

どうしても誤魔化したくなって兄貴のほうを向いてハグした




そしたら兄貴は黙って私の背中を撫でてくれた








しばらくして、落ち着くと



風呂入ろ




うん




そう言ってお風呂に入っていった





いつものように、兄貴と洗いっこした


だけど、いつもと感覚が、というか、よく分かんないこの心の中が


私の動きを止めた




兄貴はそんなことも気にせず、むしろ、私の手を使って自分を洗いだした



美紅?嫌ならやめるけど

どうした?





分かんない




この心の痛みがなんなのか分からず、そして、もしそれが恋だとしたら、言いたくなかった


兄貴に恋する妹がどこにいる?

言いたくても、言えないよ





どうしよう

頭でぐるぐるし始めちゃった




そろそろ風呂出ようか?



美紅?大丈夫か?





なんか分かんないけど、早くお風呂から出たい
でも、今出てしまったら次、いつ、どんくらい、一緒にいられるか分かんない


そんなことを考えてしまった





風邪ひくから出るぞ




私は諦めてお風呂を出ることにした




その後もぼーっとしちゃって、全部兄貴がやってくれた





今日は学校休む?



てか、むしろ休んで欲しいんだけど






兄貴といたい



学校行かない





咄嗟に口から出てしまい、言ったあとで、



あっ、ごめん
気にしないで




いいよ

美紅が行かないって言ったら休むつもりだったし





ごめん

こんなんでごめん






そういうことは言っちゃだめっていつも言ってるじゃん




そうだよね

ごめんありがとう






このとき、心のどこかで




兄貴に恋してることに




気づいてたのかもしれない