美織の家につき、美織は車を降りた


また、車が出発した




すると兄貴は上からのぞき込んでキスをしてきた


私は朦朧とした意識の中での出来事だったからはっきりとは覚えてない


けど、兄貴はいつも私が倒れた時、こうするらしい





「……兄…貴……?」



「美紅?大丈夫か?」




「また?」




「そうだよ

体、大丈夫?」




「分かんない

また、だるくなってる」




「また、葛湯飲んだ方がいいな

一緒に飲んでやるから」




「うん

ありがとう」







しばらく走って家についた




「歩けるか?抱っこするか?」




「うん

抱っこして」




「大野、荷物頼む」



「かしこまりました。葛湯もご用意いたします。」




「よろしく

美紅、ちょっと起き上がるぞ」



兄貴に抱っこしてもらって部屋に行った




そっとベットにおろしてもらって横になった




ちゅ




ちゅ





ただいまのキスをした


何があろうと変わらないこと


こういう小さなことが私にとって幸せなものだ





トントン


「失礼致します。葛湯をお持ちいたしました。」




大野ではなく、生田が運んできた


そりゃそうだ

大野はただの運転手、生田は屋敷の執事だから





ワゴンを中に運び、




「どうぞごゆっくりお休みくださいませ。」



そう言って部屋を出ていった



私は猫舌だから相当冷めた状態でないと飲めない


兄貴にふ〜ふ〜してもらって飲んだ




やっとなんとか安心した