今回の公演、本当に沢山の質問やリクエストなどいただきました。この「あとがき」やクラウドファウンディングでのアフタートークでできる限り答えていきたいと思います。6月上旬にはキャストの皆んなに会う機会もあるので、質問があれば5月中にメールにて受け付けております。お問い合わせはタイトルに「バイバイメメント係」と表記の上、( teranokoya0613@gmail.com )にお送りください。



さて、あとがきシリーズ2回目。

今回はダンス曲のセットリストを前半と後半に分けて公開致します。



1. 木遣り唄





これはダンスではありませんが紹介させてください。僕が和太鼓をやってた頃、太鼓の面に向かう前に全員で唄っていたものです。ここに全員が集まったことを祝し、これから打ち込むことを全員で約束し、挑むという内容です。この唄は稽古中も唄っていました。ここに全員がいること。自分がこの人達のために居ること。そしてお客様の前でこれから演じることを宣言し、役に向かう前のスタンスを作る。呼吸、声、姿勢、目、顔、今日の身体と空気を思い知りながら、受け入れ、許し、挑む。

「木遣り唄からオープニングダンスが終わるまでに、自分から役に身を委ねていく」というのが、全員での約束事でした。木遣りの中で役が降りてきても、ダンス中に身を寄せても、共演者との間合いで少しずつ入れて行っても良いのです。ただ、無理に成るのではなく、自分が役であり、もう何も迷うことはないと信じられる人たちでいてほしかった。

和太鼓をやっていて学んだ自分の軸です。それを共有できて幸せでした。いつか何処かでブルった時は、この唄をうたえばいい。




2. Maneskin - GASOLINE (オープニング)

振付:YOH UENO


自主公演オープニングはこの人に!と決めてました。YOHくんの自主公演を見に行った時に、出演者の統率と空気感が見事だったので、仲良しとはいえダンスアーティストとして尊敬するYOHくんにオファーしました。YOHくんは振りを作りながら進めていました。それは色んな表現畑から集まった人たちの動きや癖や得手不得手を見ながら進行したいという、彼なりの選択でしょう。限られた時間でなかなか出来ることではないと思います。色んなダンスと向き合ってきたYOHくん。声優としても活躍し、役を背負う機会も増えてきたこともあり、振付師として役者へのアプローチも素敵でしたね。振付師としては絶対的な形づくりはあれど、人と人としてコミュニケーションを取って一緒に作っていく振付師さんは本当に有り難いのです。低音が心拍数を上げてくれるこの曲。とにかく派手に!演者のテンションを上げるぞ!というオープニングは必要ないと思っている派なので、役に成っていくキャストの姿を見ていただければと選曲しました。自分が自分の踊りだけしていたら目立ってしまう。自然と隣や周りを意識して踊れたこのナンバーは、まさに「統率」に優れたナンバーでした。YOH UENO。演劇の場にももっと出て行ってほしい振付師さんです。



3.RIP SLYME - Vibeman feat.在日ファンク

振付:悠造




わたくしが振付を担当しました。お客さん(魂)を楽しませないと生き還ることができない労働者たちによるダンスナンバー。お客さんの顔をしっかり見る!二階席も見る!まだまだ震え(vibes)が足らん!と、ライブ形式で楽しんでおりました。キース役が僕とワンデー櫟原氏になったことで決めた曲。お客さん(魂)が「生き還れ!」と、いっぱい拍手してくれたのが印象的でした。裏ではハンス役の白石くんと僕が、欽ちゃんの仮装大賞的な音を「お客さんごめんなさーい」の気持ちで模しておりました。



4. 緑黄色社会 - party!!

振付:吉田隼人



その世の記憶を持つホグに気に入ってもらえたら、魂を分け与えてくれるホグを楽しませたら、自分が生き還ることができる!!と、自分の中のガソリンを再燃させて挑む労働者たち渾身のダンスナンバー。ミッツ役でもあり、チームメメントの情熱担当の隼人さんが振付を担当。熱血指導で演者とぶつかるシーンもありましたが、結果互いを信じて形にしてくれました。このナンバーが労働者チームを一丸にしてくれました。ホグのキョトン顔が印象的ですが、実はこの曲からタンクの中でホグが現れた事による違和感を生み出しています。明るいパーティーチューンの中に、「生まれてきてくれてありがとう」という歌詞に焦点を当てました。そしてエヴァが料理人として、人の喜びを自分の喜びに出来るボナペティート♪なシーンも大事な要素です。本筋を生きながら記憶を辿る道を作る。これが今回の選曲の鍵でした。



5. King Gnu - 逆夢

振付:sahoooN.



「この作品の脚本家はアニメ好きだ」と誰かの感想で見ましたが、わたくし、アニメまったく見ないんです。選曲したものが偶然そうだっただけで、ただアニメのキャラクターや物語に付随する歌詞やメロディだったりは、やはり舞台にも活きるものが多いのだと思います。こっちの世界に入り込めなかった方は、ごめんなさいでした。

振付にはメリー役のsahoooN.ちゃん。このナンバーも中にいる人に作って欲しかったんです。振りの中に隙間を作ってくれるsahoooN.ちゃん。「ここはどう挑んだらいいんだろう?」と悩んでいた頃は、顕著に役の道筋に迷い、まだ作れていない段階だということがわかりました。このナンバーが出来上がるにつれて役も構築できていた気がします。この曲は途轍もなく作品進行にフィットしてまして、この曲に出会った後に前半の脚本を書き換え、合わせにいきました。僕の執筆作業は、物語の4〜5倍の脚本を描いた後、選曲とダンスシーンに合わせて削除していき、1時間半の脚本にしていく。そして曲と出会ったらそこに合わせて脚本を書き直していく、という書き方をしています。その最たるものがこの「逆夢」で出ています。歌詞の流れと一緒に演技アプローチを載せておきます。


-タンクソロ-

あなたが望むなら

(我が子が望むなら)
この胸を射通して

(この胸いっぱいに愛おしくて) 

頼りの無い僕もいつか

(頼られてもない自分でも、いつか)
何者かに成れたなら

(我が子にとっての唯一に成れたなら)
訳もなく涙が溢れそうな

(記憶なく涙が溢れていた)

夜を埋め尽くす

(辛い夜を埋め尽くすほど)

輝く夢となる

(私にとっての夢が叶う)


-タンクとキースの誓い-

春はいつだって

(いつだってあなたは)

当たり前の様に

(内戦中も当たり前のように)
迎えに来ると

(必ず迎えに来ると)
そう思っていたあの頃

(それを信じていたあの頃)
瞼閉じれば

(今思えば)
夢はいつだって

(その夢はいつも)
正夢だと信じてたあの頃
(叶う夢だと信じていたあの頃)


-重なるタンクとホグの記憶-

あなたが望むなら

(あなたが望むなら)
何処迄も飛べるから

(どこにでも飛んでいくから)
意気地の無い僕もいつか

(意気地の無い私もいつか)
生きる意味を見つけたなら

(生きる意味を見つけられた)

愛と憎を聢と繋ぎ合わせて

(愛と未練と執着を繋ぎ合わせて)
一生涯醒めない程の荒んだ夢と成る

(現実と成る)


-蘇っていく労働者の記憶-

記憶の海を潜って

(記憶の海を潜って)
愛の欠片を拾って

(母親への愛の欠片を拾って)
あなたの中にずっと

(ミケランジェロの中にずっと)
眩しい世界をそっと

(「血のつながり」をそっと横目に)

-キースソロ-
この愛が例え呪いのように

(君への愛が例え呪いのように)
じんわりとじんわりと

(じんわりとじんわりと)
この身体蝕んだとしても
(この身体蝕んだとしても)
心の奥底から あなたが溢れ出して

(心の奥底から 君が溢れ出して)
求め合って重なり合う

(求め合って重なり合えるなら)
その先で僕ら夢と成れ
(私はいつまでも絶えぬこう)


-その世で家族だった労働者たち-
あなたが望むなら 

(ミケランジェロが望むなら)

この胸を射通して

(この胸いっぱいに愛おしくて)
頼りの無い僕もいつか

(頼られてもない自分でも、いつか)
何者かに成れたなら
(ミケランジェロの子供に成れたなら)
訳もなく 涙が溢れそうな

(訳もなく涙が溢れそうな)

夜を埋め尽くす

(辛い夜を埋めていくほど)
輝く夢と成る
(私にとっての夢が叶う)


-手を繋ぎ合う労働者と、手を繋ぐタンクとホグ-
正夢でも

(血のつながりなんて関係ない)

逆夢だとしても

(血のつながりがすべて)







以上が作品内のダンスナンバー前半となります。後半もお楽しみに。