塾をしていたある日、
夫が、目の下半分がちゃんと見えない、もやもやとぼやけていると言いました。
夫は小さい頃から強度の近眼です。
眼科で検査したところ、
両目とも網膜剥離を起こしていて、
かろうじて上の部分がくっ付いていて、
ぶら下がっている状態だと言われました。
「薬は無い。
良くなることは無い。
このまま様子を見て、
完全に網膜が剥がれたら手術。
もし手術しなければ、失明する。」
これを聞いたわたくし、
とにかく一刻も早く塾の仕事をやめなければ、と思いました。
塾で稼いだお金はどんどん不動産に投資していましたので、
借金さえ完済すれば、
塾をやめても暮らすことが出来ます。
当時、何本も借金していて、合計1億ほどの借金が残っていましたが、数年以内に完済して塾をやめる目標を立てました。
しかし、バブルの頃はどんどん入塾がありましたが、
バブルがはじけた後は、
問い合わせは沢山あるのですが、
なかなか入塾してもらえなくなっていました。
そこで、私が全面的に前に出て、
電話の応対や接客をすることにしました。
今でも、夫は笑いながら言います。
「俺が接客したら、ほとんど入塾しなかったのに、
mayaが接客したら、全員入塾したからビックリした。
mayaファンのお母さんが何人も現れて、mayaと話をしたがって大変だった。」
その当時のことを書いた過去記事です。
稼いだお金をどんどん返済に回して
46歳の時に、借金完済。
塾を閉業しました。
その間、夫の目に変化はありませんでした。
でも、いずれは網膜が完全に剥がれて失明する時が来る。
そう思っていました。
あれから20年以上が過ぎましたが、
夫の網膜はまだ剥がれていません。