月曜日の段階でチャーハンに水曜日の食事に誘われていた。
今の『H』の営業時間なら、《食事の誘い=同伴》という可能性は十分ある。
ということにさえわたしは気付いてはいなかった。
ただ、連日忙しく仕事をしていて、1部時間の営業に間に合うように仕事の終わることがほとんどない毎日が続いていた。
わたしが薄くなるのに併せて、チャーハンからの連絡も途絶えがちになってきていた。
仕事づけのわたしは、基本的に金曜日と土曜日以外に飲みに行く気にはなれず、そのタイミングに来店を促進されなければ、わたしの来店はとても間があいてしまう結果になる。
以前チャーハンが『H』のホストくんには2、3人ずつしか客がいないと言っていたのに
「そんなことないでしょう?」
と反論したら、言っていたこと。
「客というのは、呼べば来る奴のことを言うんだ」・・・カリスマ語録
チャーハンは客をそうカウントしている。
その基準で言うと、わたしはもうチャーハンの客ではないのかも知れない。
NEW彼氏であるはずのハンバーグからは、担当ホストだった頃と同じぐらいの頻度でしか連絡はなく、1日1回のペースで電話があり、数通のメールが来た。
電話の内容は、自宅近くに駐車場を探しているのだが、いいところが見つからないとかそんな平和な内容だった。
《付き合う》という事象による変化のようなものは全くなく、担当ホストと何が違うのかわからなかった。
5時過ぎにチャーハンから
「腹減った」
と電話がかかってきて、
「何時に仕事終わる?」
としつこく聞かれた。
わたしはわからないけど、結構遅い。としか答えられず、
「じゃぁ、俺メシ食っちゃうよ!」
と言うので
「あー食ってください。そなえてください」
と言って電話を切った。
わたしはチャーハンの言っていたことをもうひとつ思い出した。
「客は3ヶ月区切りだな。3ヶ月、6ヶ月・・・1年もったらもう切れない」
わたしがハンバーグと1年を区切りにお別れしたときに言われた言葉だ。
わたしとチャーハンは3ヶ月。
1年もったハンバーグとは微妙な復活?の方向。
チャーハンの言うことは正しい。
そう言えば、つい最近メロン嬢が『P』でチャーハンを見たそうだ。
《連れの女性、すいかさんかと思いました》
とメールが来ていた。
「今日、同業行くからな、つきあえよ」
と言われる客も、わたしではなくなったのだろう。
10時近くになって、
「これから準備して出勤するぞ」
とチャーハンが電話してきたときにも、まだまだわたしは仕事をしていた。
11時に
「今、歌舞伎町向かってる」
というチャーハンの電話も適当に流した。
わたしはそろそろ会社を出てもいい時間帯にはなっていたが、全然飲みたいような気持ちがなかった。
翌朝のことを考えると、たとえ2時までだとは言っても12時から歌舞伎町に向かうための何かが、わたしには全くなくなっていた。
つづく