月曜日。
ベリーちゃんが玉子焼きくんとデートしているのを知っていたからか、わたしは角煮くんに会いたくなっていた。
しかし、最近『K』に行き過ぎているような気がして、料理に力を入れて自粛した。
金曜日に作ったぶり大根からいい出汁が出ていて、これを何かに使えないかと考え《土鍋ごはん》にした。
生姜を多めに入れて三つ葉を山盛りのせたごはんは、超うまかったが、ひとりで食るのは淋しかった。
チャーハンと電話したりして、どこにも行かずに早寝した。
火曜日。
ベリーちゃんが珍しくホスト以外の人とデートだと聞いていたので、家にいた。
8時頃に電話がかかってきて、デートが終わったとのこと。
ずいぶん早い時間から逢っていたようで、相手は仕事に戻って行ったらしい。
新宿まで来てもらって、『春秋』で軽めし。
週末しかいないはずの玉子焼きくんが今日は出勤しているそうで、何となく『K』に寄るかということになる。1時間だけ『K』に行く。
そこにザッハトルテくんがお客さんを連れて来ていて、お店の奥の方でひっそり接客していた。
そのヘルプ要員として玉子焼きくんは呼ばれたらしい。
そしてなぜか『C』のシメサバくんも来ていて、ベリーちゃんはまた気まずい雰囲気になる。
その奥の方の席でひっそりロマネ・コンティが入る。
銀座のママ風の高そうな着物のザッハトルテくんの客。
ザッハトルテくんのバースデーが終わったばかりだから、後祝いということか。
家に帰ってからハンバーグくんに
《ザッハトルテ、ロマネ入ってたよ》
とさり気なくメール。
《ザッハトルテさんならそれぐらいやるやろー》
と普通の返事。
あれ?
少しして、
《何で知ってんの?》
とメール。
《気づくの遅いよ》
《だすよね》
早い時間の『K』の一角を借りてザッハトルテくんは営業していたのだ。
簡単に説明する。
ハンバーグくんは風邪をひいたらしく、喉が痛くて辛いと言う。
軽い来店促進。
その後また深い話になる。
このところのわたしの様子はおかしくて、理由を説明してほしいと言われる。
説明も何も、ハンバーグくんに振られて投げやりになっているだけだ。
「振ったつもりはないけどなー」
そんな脳天気な返事。
話の途中でZさんから電話がかかってきたので
「かけ直すね」
と言って一度電話を切る。
Zさんの電話を切ってかけ直そうとしたら、ハンバーグくんにはつながらなかった。
気づいたら、ハンバーグくんからメールが来ている。
《ちゃんと話せなくなったらもう終わりやな!そうやって逃げてればいいわ!さよなら!》
?
確かに明日のことを考えると今日お店に行くのは辛い気がした。
でも、体調が悪いとか言われると気になるものだ。
《行ってあげようと思ってたのに・・・簡単にさよならって言うんだね》
《すいかも簡単にさよならって言うやん!行ってあげようと思った?だったら話してる最中にTEL切るなよ》
《仕事電話かかってきて、かけ直すって言ったじゃん!》
《なんやねんTEL掛かってきたって?そんなん聞いてないわ!》
《聞こえなかったのかも知れないけど、そう言って切ったよ。何でそんなに怒るのかわかんない。そんなに言うならさよならでいいよ》
《さよなら!むかつくわ!》
《ほなさいなら》
何か、ちょっとしたことでこじれて、さよならになってしまった。
何これ。
どう考えても、くだらない理由なんですけど。
こんなことでわたしたちの■ヶ月が終わってしまうんだろうか。
アホすぎる。
悲しいとか怒りとかいうより呆れてしまった。
水曜日。
さよならを言われたままハンバーグくんからは何の連絡もなかった。
わたしは午後になって確認メールを出した。
《まだ怒ってる?本当にさよならなの?ハンバーグくんがどうしてもさよならって言うならしょうがないけど。わたしはハンバーグくんと仲良くしたいよ》
返事がなかった。
そう。
この気持ちを聞いてもらうために、わたしは大雨の中『K』に行くことにした。
つづく