※ベリーちゃんご乱心。4の続き
閉店間近になると、パイナップルタルトくん、プリン王子が遠目に見てもおかしくなっていた。
パイナップルタルトくんはせっかくの男前の人相がかわり、フラフラ。
プリンくんは上半身裸になり、走り回っている。
これまた酔っ払ったリンゴ飴くんが席に来て、ハンバーグくんについて熱く語る。
今まで誰も崩そうとも思わなかったプリン王子のNo.1の牙城を、一瞬でもハンバーグは本気で取りに行った。
今までこの店には、そんな奴がいなかった。
自分はうれしい。
自分の売り上げを分けてでもハンバーグを応援したい。
みたいなことを、泣きながら言って、
「こんな話するヘルプ、いないでしょ」
と訊いてきた。
「いないね」
と答えると
「誰にでも言ってる訳じゃないから」
と、笑っていた。
リンゴ飴様は笑顔がよい。
そこにプリン王子が来て、両手でわたしの手を取った。
テーブルの上にそのつないだ両手を乗せて、そこに額をくっつける。
王子は号泣していた。
王子の涙がわたしの手の甲を伝う。
きれいな人のきれいな涙。あぁ、もったいない。
「ハンバーグを・・・」
あんまり王子が泣くので、わたしの方がオロオロしてしまう。
「ハンバーグを、ここまでしてくれて、ありがとう」
「ありがとう」
「ありがとう」
王子は泣きながら、ありがとうを何回も言った。
「いえ、わたくしには、何にもできてませんでした」
そう言っても、プリン王子は
「そんなことない」
「そんなことない」
と言い続けていた。
プリンくん、なぜわたしがハンバーグくんの(妄想)心のエースだと知っている?
結局朝7時すぎまでお店にいて、帰宅。
表でも泣きじゃくるホスくんたち続出。
「みんな、すぐ泣くねん。1年に1回か2回、こういうことがあんねん」
といつもはすぐ泣くくせに今日は泣いてないハンバーグくんが言った。
帰宅して、帯を解いて、爆睡。
ハンバーグくんたちは、みんなで花園神社に初詣に行くとか、その後焼肉新年会とか言っていたような気がするが、とにかく役目は終わった。
シメサバくんは最後の最後に抜きつ抜かれつを繰り返し、やっと自分の卓で入ったピンクのヴーヴでとどめを刺したかに思えたが、時間切れ。
ピンクのヴーヴは1月期の売り上げになってしまい、結局No.4で終わった。
ってことは、今のところ、1月の暫定No.1か?
残念だがしょうがない。
あとはベリーちゃんの今後を案じるだけである。
これからもいっそう、スーパーエースぶりに拍車がかかるに違いない。
こうして代理戦争に加担しておきながら、心配である。