20年前のあの日



子供の誕生日は家族と過ごしてね

前からの約束


楽しい時間はあっという間に過ぎた

幸せの塊のような1日だった



ふと気がつくと外でパパが通話中だった


彼女だろう

パパの後ろ姿でご機嫌だとわかる


今は家族の時間だ

こんな日に電話してこないで

私は一言いいたかった


パパの後ろから、彼女にも聞こえるように『○○さんでしょ?変わって』と声をかけた


パパは驚いたけど

手であっち行けというような払うしぐさをした


『代わってよ会社に電話してもいいんだけど』


小声で何か話してから携帯が手渡された


『もしもし妻のふーです。主人がいつもお世話になってます』と挨拶した


彼女の第一声は『奥さんの思ってるような仲ではないです』だった


私『逆にどんな仲なんですか?』


『お互い相談にのってるだけで…』


私『何の相談しているんですか?』


『大事にしてあげてください。お子さんもご主人も可哀想です』


電話を切られた!


私めっちゃ子供可愛がってますけど?

大事にしてあげてください?

何様だよ

ふざけんな



可哀想?可哀想って何

うちの家族の何を知ってるんだよ



どんな相談をしたら私が不倫女に攻められるの



言いたいことを何も言えず

一方的に浮気女に責められて切られた



その後、パパは一言も話さずソファーで寝た


去年の誕生日は『産んでくれてありがとう』と抱き締めてもらえた


私は母子手帳を見ながら泣いた

母子手帳に安産のお守りをパパが買ってくれたと記入してあった



神様がいるのなら、

女は地獄に落としてほしい



でも今地獄にいるのは私かもしれない



神様、私の罪は何ですか?