つい、怒ってしまう…


認知症の介護は

矛盾だらけの世界


意味不明の会話だったり

過去の記憶は当てにならない


過去も10分どころか

3分前のことも覚えていなかったりする


時には

歩いている途中で

歩き方を忘れてしまう時もある


同じことを

何度も何度も何度も

言わなければならないこともしょっちゅう



真夜中のじいちゃんワンマンショー


「今は夜中だから、歌は昼間だよー」

と言うと

「そうか、そうか」

と納得するけど

5分もしないうちにまた歌い出す


これを何度も何度も何度も繰り返す

午前3時…


最後には

もう、いい加減にしてムキーむかっ爆弾ドンッ

と怒鳴ってしまうチーン


そして

怒鳴ったことを後悔して

怒鳴った自分を責めてしまう悲しい



人間だもの


認知症は病気だから

忘れてしまうのも

何度も繰り返すのも

じいちゃん本人が悪いワケではない


同じように

介護者が怒ってしまっても

それは介護者が悪いワケではない


私は思っている



かなり減ったけど

私は今でもじいちゃんを怒ってしまったあと

自分を責めることがある



でも

人間だもの


介護者にも感情はある

体力気力の限界はある


20代の睡眠不足だって辛いのに

50代半ば過ぎての毎日の睡眠不足は

命削っているようなもの



怒ってしまうのは

要介護者に向き合っているから


たまーにしか会わないで

一時間くらいだったら

要介護者に怒ることもない



介護を諦めたら

怒ることもない


無関心な人に

人は怒らない



怒ることは

決して良いことではない


でも

怒ってしまうほど


ちゃんと要介護者に向き合って

一生懸命介護して

自分の人生の多くの時間を費やしている



だから

怒ってしまった自分を責めるより


次の瞬間に

どうやってじいちゃんを笑顔にするか


そのことに

自分の気持ちとエネルギーを向ける


気持ちを切り替える

手段方法をたくさん持っておく



介護は100mダッシュの連続だから

次の100mを笑ってダッシュするか

前の気持ちを引きずったままダッシュするか


その選択は

自分にしかできないんだなぁ