なんだそのタイトル。と突っ込みたくなりますが、夏目くんと名取さんが不器用に歩み寄る、大真面目なエピソードです。

ちなみに原作(四巻収録)タイトルは「夏目、温泉へ行く」。

ここからネタバレです。

 

嘘つき

 

この回では、夏目くんのトラウマキーワード「嘘つき」がフィーチャーされています。

嘘つきと罵られないために、嘘をつくのが習い性になってしまった夏目くん。

 

「私たちなら、嘘をつかずに付き合っていけるかもしれないね」

 

名取さんも夏目くんも、嘘をつかずに済む関係にあこがれつつ、それが一筋縄ではいかないことも嫌というほど分かっています。

今回の旅行でも名取さんは夏目くんに隠し事をしていますが、それがばれた時に夏目くんが感じていたのは、嘘をつかれたショックではなく、嘘をついてしまうことへの理解と共感でした。

 

それにしても、「嘘をつかずに付き合っていけるかもしれない」ってすごい台詞ですよね。お互いに嘘を使って人付き合いをしているのが……そして今はまだお互いの間にも嘘があるのが、前提なんですから。

相変わらず絶妙な距離感の二人です。

 

本当のことを言えるようになりたいという理想があって、まだそれができないという現状があって、現状をちゃんと受け入れながらも、理想を諦めずに成長を誓う夏目くん。

名取さんも、自分の迷いや望みを隠さなくなってきたあたり、夏目くんにずいぶん感化されてきているなぁと思います。

 

そんな、潔癖なくらいに悩んで抱えてしまう二人に対して、「隠しておけばいいじゃないか(意訳)」と軽くあしらう先生や「嘘のつもりじゃなかったんだよ(意訳)」とフォローを入れる柊がまた良い味出してますね。

 

友人帳の秘密

 

夏目くんの、名取さんに対する最大の隠し事である友人帳。

この時点ではまだ友人帳の危うさや祓い屋のネットワークが明らかになっていないので、隠す動機はそれほど強くない様子です。

 

結局話さない方向に落ち着きますが、それを夏目くんに納得させる先生の言葉がまた……夏目くんのこと分かって慮ってくれている感じが、もう完全に保護者です。

 

ところで、夏目くんはこの先、妖怪の命を預かっている責任を強く感じるようになっていきますが、先生にはあまりそういう視点はないんですよね。

自分が妖怪だから妖怪の味方をするというわけでもなく、自分や夏目くんの気持ちがどうかということだけを考えています。友人帳に名がある妖怪たちのことは、割と他人事。

 

それは勿論、先生の性格もあるのでしょうが……この作品の色というか、世界観でもあるのなのかなぁとも思います。

今回のお話でも、夏目くんを騙そうとする妖怪と、律義に恩を返す妖怪が出てきていますよね。

「人間」とか「妖怪」とかいう属性で括るのではなく、それぞれが全く違う個々の存在として描かれている、その描き方が面白さであり、奥深さであるような気がします。

 

温泉回

 

「同じ風景が見える友人は君だけだよ」

……そういうのにほだされやすいですよねぇ、夏目くん。

塔子さんの「ゆっくり楽しんでいらっしゃい」に真正面から照れてしまうのも可愛いです。

 

今回は温泉回なので、サービスシーン(笑)もしっかりあります。

柊に見られてお約束の反応を見せる夏目くんも可愛いのですが、ここでは何より、先生が自分のこと「もともと陶器」と言ったのが衝撃でしたね。

陶器なんだ……いやまぁ、確かにまねき猫ならそうなんでしょうけど。陶器か……。

あと、夏目くんはやっぱり先生のこと猫だと思ってるんですね。

 

その他

・最初の小さい輿の妖怪たち、真っすぐにしか進もうとしないのが面白いです。確か沖縄に、魔物は直進するから門のところに壁を作る、みたいな話ありましたよね。

・温泉シーンの直後、のんびりしたムードからの突然のぶら下がり。この絵面の容赦ない怖さも夏目らしいところです。

・塔子さんの「うそつき」がものすごくグサッときます。

・レイコさん、そんな凶悪そうな妖怪とも勝負してるの……?そして勝ったの……?

 

★アニメ夏目友人帳全話感想&おすすめエピソードはこちら★

★他の感想記事はこちら★