大吉頭が冴えて何でもできる

 

何もかもがついていない日だった。

朝からの土砂降りに、車が跳ね上げていった泥水を頭からかぶってしまった。

スマホも教科書もすぶ濡れで、まともに講義を聞く気もしなかった。

 

一つ悪いことがあると、全て悪くなる。

幼い頃からなぜかそうだ。

 

不貞腐れた帰り道。

いつも軽く頭を下げるだけの神社に足を踏み入れた。

すでにあがった雨の滴がポツポツと落ちる境内は閑散としている。

 

カーテンのしまった社務所の窓の前にあるおみくじ。

なんとなく、100円を出して引いてみる。

 

「大吉」

よりによってこんな日に!?

腹が立つより笑いが込み上げてくる。

そうだ、私の人生なんてこんなものだ。

まだ湿り気を帯びた鞄から雨の匂いがした。

 

 

 

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