object theaterってなんのこっちゃと思われるだろうが、定義らしい定義があるわけではなく、まあ強いて人形劇の変種であり、ただ、人形劇とちがうのは、扱うものが人形ではなく、object、オブジェクト、つまり、なんらかの物体、もっというと、人の形をしていない物を動かして、劇を生み出すというもの、ということでわかってもらえるだろうかしらん。

 

ただ、人形でないものを動かすといっても、人がそのものを、指で、糸で、棒で動かした時点で、その物、オブジェクトはなにかしらのキャラクターとしてとらえられてしまう、人間がそう認識してしまうのだから、しかたがない。

直方体の箱とか、積み木とかがA地点からB地点まで動く、動かす、された時に、少しでも左右にぶれた動きをしたならば、それは右足と左足があるもの、として認識され、その移動は「歩いている」と解釈される。

しかし、実際には、左右にぶれながら移動しているだけである。

 

移動しているだけとして、見て欲しいというわけではなく、じゃあ、左右にぶれることが、歩いていることを表現しているから、歩いているんだろう、と思われるだろうし、思ってもらってもかまわない。

このあたり、どうとってもらってもかまわない、というのが、実はこのオブジェクトtheaterのわけのわからなさであると私は思う。じゃあ、はっきりすりゃあいいのか、ということでもない、ほら、さらにわからなくなったでしょう。

 

物が動くと、人はその物がなぜ動いているのか、を想像する、その物の移動する意味を類推する。

そこに「ただ動きたいだけ」というのは、見ている人をとても不安にさせるし、今、それをYouTubeで発信すると「わけわからん」ということで、そこで視聴を止められてしまう。

実際、検索ワードで『オブジェクトtheater』といれると、世界各国でいろんな試みが行われているが、その再生回数は、三桁いくものがめずらしいくらいで、たいていが二桁、下手をすればアップロードから3年になるが、一桁というのも珍しくはない。

 

逆にどうしてここまで興味を持たれることがないのか、ということに私は興味を持つ。