【2019年伊達聖人生誕祭】3分かからないクッキング【便乗短編】 | あるひのきりはらさん。

【2019年伊達聖人生誕祭】3分かからないクッキング【便乗短編】

 

「全国の皆さんこんにちは、伊達聖人です」

「……片倉華蓮です」

「今日は、仕事で疲れた人、料理が出来ない人に向けて、ちょっとした料理をご紹介するね。用意するのはコチラ……冷凍唐揚げ(1袋)です」

「……要するにレンジでチンするんですよね。これのどこが料理なんですか?」

「華蓮ちゃん、ただレンジでチンすればいいわけじゃないんだよ。配置を間違えると加熱にムラが生じて、ひとくち食べた時に中身が凍っていてそれはそれは悲しいことにしくしk――」

「――温め直せばいいじゃないですか。くだらない……失礼します」

 

 華蓮は手に持っていたお盆を丁寧に突き返し、エプロンを取り去ってそのへんにあった椅子の背もたれにかけてから……振り向くことなく部屋を後にする。

 1人残された聖人は、左手に持っていた唐揚げを一口で平らげると……彼女が出ていった扉を見つめて、肩をすくめた。

「華蓮ちゃんの心も、レンジでチンして暖かく出来るといいんだけどねぇ……」

 

 

■参考にしたイラスト