【2019年千葉駆生誕祭】オンリーワンはナンバーワン!!、他1編【便乗短編集】 | あるひのきりはらさん。

【2019年千葉駆生誕祭】オンリーワンはナンバーワン!!、他1編【便乗短編集】

 ありがたいことに、キャラの誕生日にイラストを描いていただくことが多いので……キャラ誕3周目は、そのイラストや動画などから浮かんた短文を量産してみようかと思います!!

 なお、霧原の思いついた順番で書いていきます!! それではレッツゴー!!

 

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■オンリーワンはナンバーワン!!

 8月17日、千葉駆の誕生日。 

 世間的なお盆休みも終盤に差し掛かったこの日、当人のテンションは朝から実に高かった。

 その理由は、日付変更直後に届いた、彼女からのメールにある。

 

「ゆ、夢じゃない……よな、うん、夢じゃない!!」

 起床後、身支度を済ませた彼は、自室にある充電ケーブルに接続しているスマートフォンを操作して……届いたメールを食い入るように見つめていた。

 差出人は、福岡に住んでいる橋本セレナ。内容は「駆っち、誕生日おめでとう」から始まる、当たり障りのないものなのだが……彼女がわざわざ自分の誕生日を覚えていて、日付変更と同時にメールをくれたこと、それに大きな価値がある。

 こんなことをしてもらうのは、初めてだった。

 気付いて、何度も読み返して、返信を考えるのに1時間かかって……他の友人から届いていたメールは、後回しになってしまったけれど。

 

 彼女がタイミングを見計らって、自分のためだけに送ってくれたもの。

 たった1通のメールで、こんなに頬が緩むなんて……知らなかった。

 

「っと、保護、保護しとかないと!!」

 画面を見ていて時間だけが経過していることに気付いた駆は、我に返ってスマートフォンを操作する。

 そして、セレナからのメールを保護した後、フォルダも分けてから……自分しか見ることが出来ないメールを思い返して、何度目か分からない笑みを浮かべる。

 

 ――刹那、彼のスマートフォンが短く振動した。

 これは、メールを受け取った合図。

 

「セレナちゃん!?」

 

 画面にポップアップで表示された送信元を凝視した駆は、急いでそのメールを開いて――

 

「――あああああぁぁぁ!!」

 

 部屋中に悲痛な叫びを響かせながら、その場に崩れ落ちるのだった。

 

 

【使わせてもらったイラスト】

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■今はまだ画面の向こう

 8月17日、福岡の自室で過ごしていた橋本セレナは、駆かあ、ら届いた返信に気がついて……身支度の手を止めて、内容を確認した。

 そして、首をかしげる。

「駆っち……眠かったとやか?」

 

 セレナから送った、誕生日おめでとうのメール。

 それに対する返信が深夜になっていたため、確認が夜明けの今になってしまったけれど……。

 

 ――メール、ありがとう。セれナちゃんからのメッセー、すごく嬉しかった!! これからも宜しくお願いしま酢!!

 

 何度読み返しても、複数の変換ミスや誤字がある。

 誕生日ということで、多くの人からメッセージが届き、返信していて疲れてしまったのだろうか。

 それとも……彼の表情を思い出すと、口元が緩む。

 彼のことだから、返信しなければという気持ちだけが先走ってしまったのだろう。

「新聞記者がこんなんじゃいかんよ、駆っち」

 彼の真っ直ぐな瞳を思い出しながら、セレナは彼の失敗を少しからかう内容を返信するのだった。

 

 

【使わせてもらったイラスト】