【ネタバレしかないあとがき】エンコサイヨウ第3幕 過去の彼女を知らない彼女【文章編】 | あるひのきりはらさん。

【ネタバレしかないあとがき】エンコサイヨウ第3幕 過去の彼女を知らない彼女【文章編】

 オリジナル小説『エンコサイヨウ第3幕 過去の彼女を知らない彼女』は、7月17日20時、全てアップすることが出来ました。約1ヶ月間も続けてきた更新でした……追いかけてくださった皆様、本当にお疲れ様でした。

 特にエピローグは長すぎるので、少し落ち着いてから分割します。あんなの一気に読みたくない。(笑)

 と、いうわけで……この記事では、第3幕に関するネタバレと裏話と内省を語り倒したいと思います。

 なお、【文章編】と【イラスト編】があります。【イラスト編】は多分……超長くなります。

 

 

■そもそもの第3幕

 続編を書こうと決めたのが昨年末……今年の頭だったっけ。とにかくその辺です。

 実は、最初の『エンコサイヨウ』を書いた時点で、第2幕までの流れは決めていました。名杙兄妹をメインにして、心愛の学校生活を出す、というやつですな。

 で、それに続く第3幕をどうしようかと考えて……最初は、ユカを大きくするつもりはなかったんですよね。10年前の研修の話だけで終わるつもりでした。

 ただ、「ネタを出し惜しみしてはいけない」という謎のひらめきにより、「むしろこの序盤で19歳を出しておいた方が盛り上がるのでは?」と思ったらしい霧原さん。そして、ネタを妄想します。当初は、

 

 ・政宗を闇堕ちさせる。

 ・10年前の研修の話をする。

 ・ユカを元の大きさに戻して、記憶を消して政宗に依存させる。(もっとあざとい)

 ・ユカと政宗はなし崩し的に一線を越える。もう全てただれてる。

 ・伊達先生はユカを実験対象としか見ていないので、そんな彼女を汚した政宗を敵対視する。

 ・政宗は自分に愛情を注いでくれたユカに完全に心を奪われて、ケッカ(幼女)への恋心をなくす。

 ・しかし、ケッカ(幼女)は政宗を好きになって、恋愛のベクトルがひっくり返る。

 ・統治? なにそれ美味しいの?

 

ほとんど残ってないよ

というかどうしてしてこんな暗い構成で「いける!!」と思ったんでしょうね霧原さん。バカですかね。誰が『エンコサイヨウ』にこんなノリを求めているんでしょうね。

 

 正直この流れは5月くらいまで変わりませんでした。じゃあ、霧原に何があったのか。

 第2幕をほぼ書き終えて(終わってない)、第3幕を具体的に書き始めた時……政宗の扱いをどうするか考えていると、彼が脳内でこう言ったのです。

そうだコイツユカコンだった。

(大事なことなので2回書きました)

 ※ユカコン……ユカコンプレックスの略称。ユカが好きでちょっと痛いこともあるヘタレのことを指すことが多い。

 

 それを思い出した霧原さんは、もう、黒い要素をお掃除することにしました。

 やめだやめだ、『エンコサイヨウ』にドロドロはいらない!! 爽やかなラブコメをやろう!! よし政宗、お前死神な!!(爽やかとは)

 

 政宗の過去とか、過去から付随してきた死神設定とか、全部書きながら考えました。というか、10年前にユカと政宗が屋上で話をすることと、バレンタインに電話すること以外は、ほぼ全部書きながら考えました。何ですか『生命縁』の異常って。知ってたらもっと序盤から伏線張ってたよ。

 もう何が最初から脳内にあったのか分かりません。よく終わったね。違うな、だから終わらなかったんだよね。

 

 だから伊達先生との三角関係も諦めて、この人はとりあえず味方として、これからも胡散臭い人でいてもらおうと思います。多分ね、多分。霧原の気が変わらなければね。

 

 

■ユカ・政宗・統治

 さて、展開を白くするのは良い。しかし、第3幕はユカと政宗の物語だから、統治の影薄くなっちゃうなぁ……と、書く前は思ってました。

 

特にそんなことなかったです。

 

 むしろ出番が増えましたね。やはり10年前のエピソードを書いて、この3人は3人一緒じゃないだとダメだと本当に強く思ったんです。本当にこの、序盤のタイミングで一度しっかり書いてよかった。書かないと、霧原は統治に明確な役割を与えられないまま、今後の展開を考えなければならなくなっていたと思います。

 統治は第2幕に妹との確執は乗り越えましたが……ユカに異変が発生して、統治が一緒にいられなくなって(この辺はまだ、2人だけの話にしようとした名残がありますね)、さて、彼をどうするかと考えたのです。

 統治を『仙台支局』の電話番にすることは決めましたが……彼のことですから、きっと毎日通って様子を見るんだろうなと思ったら、あっという間にお母さんが出来あがりました。

 そして、何を思ってユカと政宗の関係を見守っているのかも、何となく分かりました。ちなみに統治が安直に2人の縁結びをしない(やれば出来る)のは、仮にそうやってくっついても当人同士が喜ばないと知っているからです。

 

 最初はバラバラだったこの3人は、いつの間にか、互いのためにすっごく頑張っていて……それに気付いたらもう、引き離すなんて考えられませんでした。終盤で政宗と一緒に悔しがっている時は、書いていて「ゴメン」と思いながら、統治の新たな一面を知ることが出来て超楽しかったです。(ヲイ)もっと19歳のユカと統治を絡ませたかったなぁ、とさえ思います。

 この3人は本当に書きやすいですし、ワンセットでいいんだなー、と、改めて感じました。

 

 

■福岡組、参戦!!

 そして今回、ようやく、ようやく、福岡側のスタッフを増やすことが出来ましたー!!

 今まではセレナしかいなかったので、本編にも登場させ辛く、ボイスドラマでもセリフが少なめでしたが、一誠と瑠璃子が増えたことで、より、物語に厚みを出すことが出来ると思っています。

 一誠と瑠璃子に関しては、第3幕を白くしようと思った時に考えたキャラクターです。瑠璃子をご飯担当にしようと思ったら、いつの間にか食いしん坊になっていました。あと、一誠はもっと暑苦しくてうっざいキャラにするつもりでしたが、随分まろやかになりましたね。コレくらいの塩梅でよかったと勝手に思ってます。声の担当も決まっているので、ボイスドラマが楽しみですなウヘヘ。

 この3人は第5幕で仙台に遊びに来ますので、来年の今頃は出番待ちしているかと思います。

 

 

■なして?

 何だか最近……心愛と華蓮の組み合わせが、妙に人気高い気がするんですけど……気のせいですかね。

 おがちゃぴんさんの短編漫画化投票で1位になるとは思いませんでした。というか主人公弱すぎ。霧原さんちょっと凹んだ。(笑)

 

 

 こうなったらスピンオフで2人の話を作ったほうがいいのかとさえ思います。

 でも、1分妄想して無理だったので……まだもうちょっとキャラを煮詰めてからにしますね。

 心愛と華蓮(蓮)に関しては、今後の進め方も何となーく決めていますが(あら珍しい)……さて、それを蓮主役回にもってくるために、これからせっせとフラグを立てなければいけないようですね。

 あっれ、統治と櫻子より先に当番回がくる気配ですよ……頑張ろうお兄様。

 

 

■全てはこのラストのために

 政宗の告白とかキスとか愛してるとか、それはただの通過点です。

 全てはこのラストのために、第3幕を書いておりました。

どうしてもここで、ユカの中に無理やり恋心を植え付けたかったんです!! そう、無理やり!!

 

 『エンコサイヨウ』を展開させていくにつれて、「ユカはどうして政宗のことを何とも思ってないのか」「今後も何とも思わないのか」「政宗は本当にヘタレだな」と尋ねられたり、言われることも増えてきて……その度に「待ってて、超待ってて、ちゃんと恋させるから(無理やり)」と思っていました。

 そう、無理やり。これはユカの中に発生したバグなんです。100%今の彼女の意志ではない思い。若干可哀想ですが、今後もことあるごとにユカさん(彼女はユカの中にある恋心の塊みたいなものですね)が内部干渉して、ユカはどうしてか政宗のことが気になって、気になるごとに気持ち悪くなったりします。可哀想に。

 

 常に好きなわけじゃないんです。普段はこれまで通り、「政宗はご飯をおごってくれる大切な仲間」という印象で接しているのですが、ここぞって時にかき乱されて、可哀想なことになると思います。なんかさっきから可哀想しか言ってない。

 前述の通り、最初は恋愛関係のベクトルがひっくり返る(政宗→ユカから、ユカ→政宗になる)つもりでしたが、今のところ変化はありません。これからも政宗の思いはユカに届きません。そして政宗もまさか、彼女の中で自分への恋心が浮き沈みしているなんて夢にも思ってもいません。気付けヘタレ。

 

 『エンコサイヨウ』を終わらせるつもりならば、消えたユカの恋心を戻して政宗とくっついてハッピーエンド……なのです。そのため、消されたユカの恋心が戻ってくるまでは、『エンコサイヨウ』は続くんだと思ってください。

 

 

■おうたのはなし

 第3幕を書くにあたって、特に集中して聞いていた楽曲が、いくつかあります。以下、敬称略です。

 

【10年前を書く時】

STAND UP!(水樹奈々)

 アルバム『NEOGENE CREATION』の中の曲。なんだか凄く突き刺さった。歌詞の「僕らはいつまでも 子供の頃から夢見ていた 「理想の大人」になれる日を 未だに追いかけてる」というところが特に好きらしい。

Go EXCEED!!(Tom-H@ck Feat. 大石昌良)

 アニメ『ダイヤのA』最初のオープニング曲。政宗が2人を無理やり(笑)引っ張ってるイメージ。なんかもう全体的に歌詞が前向きで好き。多分、政宗があそこまで明るくなったのはこの曲の影響です。

In the Morning(Mrs. GREEN APPLE)

 1つだけ再生回数がおかしい。(笑)第2幕の動画で使ってもらったことで出会い、第3幕の核になった1曲。政宗の夜が明けるまでを書いたのが第3幕でした。なかなか明けてくれなかったよ……。

 

【ラブコメを書く時】

恋音と雨空(AAA)

 好きだよと伝えればいいのにと思いながら書いてました。雨ばっかり降っていたのでピッタリでした。

こいのうた(戸松遥)

 すごく可愛い曲なんですけど、ユカの恋心を書く時はコレだと何故か決めていました。

Pinkie(BUMP OF CHICKEN)

 これも再生回数がおかしい。最初の動画で使われたときから、虎視眈々と狙っていました。

絶対的幸福論(水樹奈々)

 アルバム『NEOGENE CREATION』の中の曲。終盤あれだけラブストーリーになったのはこの曲のせい。

 

 

■おわります

 さて。恐らくコレ以上の長さになるであろう【イラスト編】もありますので、【文章編】はそろそろこの辺で。

 第3幕を書き終えることが出来て、正直ホッとしております。

 ギリギリまで手を加えていた第3幕は、霧原としても地味に好きで……特に終盤のユカと政宗の関係が進展していくところは、書いていて何度も泣きそうになっておりました。だって引き離すって知ってるから!!

 久しぶりにここまでどっぷりキャラクターと向き合って物語を書いた、という達成感があります。政宗には随分と苦労をかけましたが、少しはカッコよくなれたんじゃないかな。どうでしょうか。ヘタレなことは相変わらずなんですけどね。

 今回は文章を書きすぎた反動なのか、日々素晴らしいイラストをもらい続けた影響なのか、「イラスト描きたいイラスト描きたい」と無性に思って、好きなように描いております。お目汚しスイマセン……そろそろ餅は餅屋に戻りますね。

 

 では最後に、『エンコサイヨウ』に関する今後の予定なんぞを。なお、予定は未定です。

 

【2017年】

・ボイスドラマ『隙間語』、『季節語』、順次公開。

 とりあえず8月の頭に、仙台七夕まつりに関する『季節語』をアップします。以降は編集が終わり次第あげていきます。

 

※きっとスピンオフ的な二次創作も公開されるはず。

※誕生日にはこれまで通り、何かしらやっていきます。

 

【2018年】

・6月~7月にかけて『第4幕:里穂仁義当番回・石巻編』を公開したい。

・7月~8月にかけて『第5幕:七夕まつりでラブコメ!?的なもの』を公開したい。

・8月~9月にかけて『第6幕:蓮がメインの何か』を公開したい。

・随時、ボイスドラマやりたい。

 

来年は3本くらい本編を進めたいですね。

無理だったらスイマセン。とりあえず書いておこう!!

 

 多分、今回の第3幕ほど長くはならないと思いますので(フラグかな)……ぼちぼち準備を始めて、来年の今頃に慌てなくていいようにしておきたいものです。大丈夫、第3幕を一ヶ月で書けた霧原なら大丈夫!!(フラグ)

 

 今後も『エンコサイヨウ』はジワジワと続けていきますので、お時間があるときで構いません。また、彼らに会いに来てやってくださいませ。

 ここまでのお付き合い、本当にありがとうございました!!