有坂椎葉が分からない | あるひのきりはらさん。

有坂椎葉が分からない

今、よーやっと……椎葉が主役の外伝を、なんとか形にしました。

最初に書き始めたのが3月なので、間に色々あったとはいえ、4ヶ月近くかかっているわけです。その間に星霜学園女子会編や悠樹編を書いていたのは、単純に、椎葉編の筆が進まなかったから。

でも……私の中で謎だった、今回の『有坂椎葉』というキャラクターが、ようやく少し分かった気がしました。

自分で書いていて謎ってどういうことだよ、と、思われてもしょうがないのですが……今回の椎葉は、本当にどうすべきか分からなかったんです。

 

リジカルに元祖があること(16年前に書いた小説のこと)、キャラクターや世界観を若干いじって、現在のリジカルを書いていることは、既に何度かお話をしています。

椎葉はキャラ名の読みも漢字も変わらないキャラクターなのですが、その立ち位置は元祖から大きく変化しました。

元祖では、初っ端から菖蒲(あやめ)に一目惚れする軽さがあり、香澄や桧をいじりつつ背中をおしたりして、何だかんだと彼自身も一生懸命頑張って、最終的には菖蒲を支える頼もしいキャラになった……ような気がします。

 

そんな椎葉を、今回のリジカルでは、ちょっと3人から距離をとるような……恋愛要素は表に出さない、飄々としていてつかず離れず、みたいなキャラクターにしました。また、悠樹が先輩になったことで香澄との関係にも変化(上下関係)が生まれ、霧原もどうしてもそっちをフォローすることが多くなり、椎葉というキャラクターの掘り下げまで手が回らなかったんです。(という言い訳)

彼に『灰猫』という組織を与え、そちらの仲間とも切磋琢磨して、己の能力を開花させていますが……ぶっちゃけ、椎葉覚醒編を書いている時も、「椎葉って、どうして『灰猫』でこんなに頑張っているんだろう……」と、私自身が疑問に思いながら書いていたんですよね。ちゃんと設定していればこんなことにならなかったのに。(正論)

その辺りの疑問は、絢芽編で2人が早朝ランニングをしている時の会話で、絢芽を通じてぶつけております。基本的に小説本文を書きながらキャラクターの心情を理解する霧原なので(っちゃんと設定していれば以下略)、その時に椎葉が「俺が戦いも『灰猫』も頑張るのは超楽しいから。オラ、ワクワクすっぞ(意訳)」みたいなセリフを書いたことで、「椎葉ってすっげー刹那的に生きてるキャラクターなんだなー、なるほどなー、当然だけどやっぱ前とは違うよなー」と思ったのです。

 

そんな感じでまさに椎葉に擦り寄っている最中に、今回のリジカルでも音声企画をやりました。小説版予告編と、ショートドラマです。

企画開始にあたり、雛菊以外のキャラクターはこえ部で公募したのですが、その時に聞いた琥珀大駕さんの声に、私は正直、苦笑いしました。

私が10年前のボイスドラマで作った有坂椎葉が、戻ってきたような気がしたから。

以前もブログにちょっと書きましたし、改めて本当に失礼を重々承知で書きますけど、10年前に作ったボイスドラマの椎葉と、声の感じとか、言い方とか、もう本当に私の中でスパーンと一致して。何だよ、椎葉も前と変わってないじゃないか、変わったと思っていたのは私だけだったじゃないか……有坂椎葉にもブレない一本筋があって、今回は違う方向にちょっと枝葉が伸びすぎただけなんだろうな、と、1人で一方的に納得していたのです。

(その反動もあり、Bパターンではこれまでのイメージを私が払拭したくて、違うタイプの声をもったよねヒカリさんにお願いしました)

そして今回、ようやく椎葉の外伝を書き終えたところで、彼が「楽しい」だけで『灰猫』をやっているわけじゃないこと、楽しいと同列にある正義感を感じて、ようやく、今回の『有坂椎葉』の全容が見えてきた気がします。

 

長すぎて支離滅裂で自分でもよく分かりませんが……3行でまとめると、

・椎葉の設定を雑なまま、今回の本編を書き始めてしまった。

・迷える霧原に、琥珀さんの声が道しるべをくれた。

・だから今回のボイスドラマ『縁故採用四重奏』もヨロシクね!!

 

結論→宣伝です!!

 

 

あーでもこれで、やっと次の外伝に移行できる……とはいえ、『エンコサイヨウ』もちょっと書きたいなー……。

とりあえず、私が迷いながら書き上げた椎葉編は、一晩寝かせて改稿した後に公開します。