自分は自動車やバイクで事故を起こした事がないので、保険金の請求をしたことがない。
自動車に撥ねられる…といった事故の経験ならあるんだが、幸いにも怪我すらなく、警察沙汰にする様な事故ではなかったので、やはり事故に関わる保険金の支払いというものも受けたことがない。

自動車保険に限らず、保険は全般的に難解なので、一般人にとって不透明な部分が多い為か勘違いをしている人は多い。

難解である部分が誤解や勘違いを招く部分もあるのかもしれないが、TVなどのコマーシャルから与えられた情報やイメージが大きな勘違いの原因になっていると自分は思うのだ。

新聞や雑誌といった活字メディアでのコマーシャルは、媒体が媒体だけにTVほどの誤魔化しは効かないが、そこは人間の特性として、大きな見出しや文字には視線が届いても、補足や注釈としてかなり小さな文字で印刷された部分には余程の関心がなければ読み飛ばしてしまう。

本当に一瞬ではあるけれど、注釈や補足を小さな文字がTVのコマーシャルでも流れるのを目にするが、まさに「美味しい言葉」を並べて良い印象を強く残す作戦、という意味では成功しているのかもしれない。

保険会社も顧客の取り合いで必死なのは理解出来るのだが…美味しい言葉だけで契約をした客を、騙し討ちするような結果になっては元も子もないのだから、コマーシャルはもう少しどうにかならないものか…と思うのだが…。

1年程前、不運にも自動車で事故に遭ってしまった友人は、親戚の家の車を運転していた。
家族限定や夫婦限定といった特約や、年齢制限も親戚の子供が友人より年下であった事もあり、その車の自動車保険で車両の損害や、事故相手、搭乗していた人達の治療費もまかなえたらしいが、事故当時はとにかく「自動車保険へのイメージ」が災いして酷い目に遭ってしまったと後日聞かされた。

友人曰く、自動車保険のイメージと激しく食い違っていた現実は以下の様なものだったそうだ。

・現地対応をしてくれる
・代車の手配もスピーディ
:車両のレッカー移動に料金は掛からない
・治療費もすぐ保険会社が支払ってくれる

実際、TVのコマーシャルを見ていると「すばやい対応」「代車の手配やレッカー移動もおまかせあれ」というイメージを強く与えるものが多い。

ただ、現実的な部分から言えば「現地対応」をしてくれるケースは稀だ。
日本全国、津々浦々、356日、24時間、絶え間なくどこかで起きる自動車事故の現地対応などしていたら、保険会社の社員は何人居ても数が足りなくなってしまう。

まして、人里離れた山奥などで事故に遭えば「駆けつけてくれる人」が居るとすれば、それはJAFとか各保険会社と提携したロードサービス、最寄の修理工場やディーラーといったところで、時間帯が深夜や早朝などになれば、更に状況は厳しくなる。

365日、24時間の対応をしてくれるのは、あくまでも事故を受け付け、可能な限りのロードサービス等の手配をしてくれる…と考えたほうが良い。
勿論、個人営業の代理店経由で自動車保険に加入している場合などに、熱心な代理店であれば、時間帯を問わず、事故現場にやってきてくれる可能性はあるだろうが…。

友人の事故は夜間であった為、警察や救急車の手配をした後、自動車保険の会社に連絡をすると「事故の受付」に繋がり、ひとまず事故の報告は済ませたものの、そこからが大変だったそうだ。

スピード違反に一時停止違反で突っ込んできた相手車のお陰で、友人が運転する車は後輪部分が大きく破損した為、事故現場からはレッカー移動させる必要があった。
親戚の知り合いが経営する修理工場が、車を移動はさせてくれたものの、折り悪く「代車」は全て出払っていた為、相手者の保険会社に交渉して欲しいと言われたのだ。

事故相手も保険会社には連絡をしていたが、夜間ゆえに保険会社の事故部門担当者と連絡を取ってからでないと「代車の手配は出来ない」といわれ途方にくれる。

事故現場から救急車で救急病院へ搬送された同乗者は、入院の必要こそなかったが、治療費の件で病院と揉めた。
「自動車の事故で怪我をした」と説明はしたものの、診察や治療で生じた費用は支払って欲しいと病院側から言われたそうだ。

多くの場合、こういった自動車事故での治療費は一時的に支払いを待ってくれる病院が多いのだが、立替え払いで保険会社に請求してくれ、と言われるケースもあるし、友人達の場合も親戚が駆けつけ、その日の費用は立替え払いをすることになった。
自動車事故に関わる治療なのだと保障して貰う為、保険会社から病院への連絡を請うパターンも増えているというから、治療をするにも手順が必要…という事だろうか。

代車は、相手方の保険会社と連絡がついた後も、車両を修理に入れた修理工場の代車に空きが出来るまでの間は、レンタカーで代用することになってしまったそうだ。

今回、友人が運転していた車両は親戚の知り合いの修理工場が移動をさせたが、ロードサービスを利用した場合も、無料になる距離が決まっており、後にその筋の知り合いに「無料」でいけたのかどうかを尋ねると、距離的にみても無料の範囲では収まっていなかっただろう…といった話をされたのだという。

事故が原因で帰宅が困難な場合の臨時費用などは、自動車保険の特約から支払われる。
保険法の改正で、基本的な保険の項目に特約担保や負担保、条件を付加することで「自動車保険を安く」という謳い文句が実現している部分がある。

ゴールド免許で35歳以上の…などとコマーシャルで言ってるアレだ。

条件が色々と制限される代わりに、「代車費用」とか「ロードサービス(無料範囲が大きくなる)」といった顧客の感覚に訴えやすい特典が付加されるので、お得感も強まる…ということか?

ここで注意したいのは、別に保険会社などはコマーシャルで嘘を並べているワケではない、ということ。
本当に一瞬ではあるけれど、「契約内容によってサービスの範囲が異なる」ことを提示している。

自動車保険に限らず、あのチマチマとした約款や契約内容に目を通し、内容を熟知している…なんて一般契約者は少ない筈だ。
熟読したとしても、専門用語を含んだ表現が多いので非常に難解だといえる。

それでも、保険証書を手に取り「自分の契約ではなにが保証され、なにが保証されないのか」の概略は掴んでおくべきだろう。
また、加入している自動車保険の会社への連絡先は保険証書にも記載されているが、大抵は携帯しやすいカードサイズのものを用意してくれているので、免許証と一緒に携帯して置けば、緊急時の連絡先に迷わずに済むし、証券番号や車両の登録番号といった簡易情報も掲載されているので、問合せや事故報告時にも役立つ。
車両を使う家族が複数人居る様な場合なら、それをコピーして携帯しておくのも良いかもしれない。