ネットニュースのトピックスで「漫画の盗用」といった文字が目に付いたので目を通してみた。

細かな経緯はわからないが、某巨大掲示板で今回の「盗用疑惑」が持ち上がり、最終的に作家本人に出版元が確認した上で「盗用」を認めたというのだから、疑惑は現実になってしまった…という事だろう。

某巨大掲示板を自分は一切利用していない。
情報量は凄いのかもしれないが、いい加減な書き込みが多い事、誹謗中傷や根も葉もない噂が多く、それらを目にして気分を害した事が何度もあるからだ。

それらは、検索でヒットしたページを閲覧する際にURLを確認しないで開いてみたら「某巨大掲示板」の記事だった…ってだけのことなのだけど。

勿論、根も葉もなかろうが、噂や誹謗中傷が蔓延していようが「ここが好き!」と思う人達を否定する気はない。
有益な情報も、少なからず含まれているのだろうと思うし、情報に埋没している事で満たされる人達もいるだろうと思う。その辺は個々の好き好き、利用価値を見出すかどうかも個人が自由に取捨選択出来る部分になるのだから…自分は「気分が悪くなる」ってだけの話。

話がそれてしまったが、「盗用」が認められたのはバスケットボールのプレイシーンだったとニュースには書いてあった。
それが大元の作者の作品のシーンと非常に「酷似」していたので「盗用じゃないのか?」と疑惑を持たれたというのだが、異なる作者によって描かれた作品だけに「盗用」とされたのは構図とか配置関係の話だったんだろうか?

自分も絵を描くので思う事だが、人間の身体の構造上の問題でポーズには一定の決まりごとみたいなものがあり、漫画やアニメは多少それをオーバーに描く場合もあるのだが、あまりに不可能なポーズをさせれば画面が不自然になってしまう。(ギャグ漫画等は除く)
まして、競技種目ならその種類によって「絵になるシーン(写真であっても見栄えの良い構図)」はある。

今回、バスケットボールのプレイシーンを作者が描くにあたり、自分で競技の資料などを集めた上で描いていれば、それがお決まりのシーン的構図であっても「盗用」とはならずに済んだのかもしれない。
お手軽に「このシーンいただき!」的な感覚で、自分の作品に描き移してしまったのなら確かに責められる部分は大いにあるが、ここで「連載の中止」や「発行された単行本の絶版措置」は妥当だったのだろうか?

「モラルの低さ」を反省する旨を作者本人もプレスへ表し謝罪をしている。
文章や写真といった表現方法で「盗用」はそのものズバリになってしまうが、絵という形で表現されている「盗用」は異なる作者によって描かれた時点で「オマージュ」的な存在に近くなる気もするのだ。
褒められた行為ではないにしろ、漫画や絵を描く誰もが「模写」を繰り返す中で自分の作風を確立していくように、印象に残ったシーンや感動したシーンを自分の作品にも形を変え登場させる行為は、それがプロであっても知らず知らずのうちに行っているのではないだろうか。

今回は「盗用」を認めざるを得ない程、丸写しだったのかもしれないが…(^^;

「盗用」してしまった作者にも、また「盗用」された作者にもファンがいる。
あるシーンが「盗用」されたものであったとしても、全てが「盗用」ではないだろうし、その作品を心待ちにしている人達も居る筈だ。
責めるべき部分は責め、謝罪は必要だと思うが、連載の中止や既に発売された単行本を絶版にしてしまうのは、謝罪の枠を超え、これまでその作者や作品を応援してくれていた人達への裏切りに近い気さえする。

問題が起これば「トカゲの尻尾きり」をすれば良い、という典型的に日本企業的な発想が愚かに思えて少々残念に思えた。

「盗用」した作者さんの事を自分は知らない。
名前も作品も今回のニュースで初めて目にした。
連載を打ち切られる以上、現在契約している出版社で新しい作品を掲載するのは難しいのではないだろうか?
勿論、連載を中止した穴は、数多居る漫画家達で埋めることは可能だと出版社は思っているのだろうが、本当にその作者を支持していたファンから見れば随分「酷い出版社」だと思われることだろうな。

問題を起こせば切り捨ててしまえば良い、という発想が自分も残念だと思う。
絶版しようが、連載を中止しようが、そこで連載していた事実や、出版され世に出た単行本は消えない。

漫画やアニメが茶の間に登場して数十年が過ぎた。
既に「この設定ってさ~」「こういう展開ってさぁ~どっかで前に見たことあるよ」なんて作品が世の中に溢れている。
重箱の隅を突付けば、幾らでも出てきそうな問題でもあるのではないだろうか…(苦笑)