昔話としてアップした後乗りサクサク については、なぜ この様な話を思い出したのか…という部分の補足が必要かと思います。


3月11日の地震発生時、自分は自宅に居ました。


揺れは大きかったものの、幸い被害は殆どありませんでした。


大きな揺れがあれば、まずテレビをつけてNHKで状況を確認することにしていますが、地震直後に発表されたM8.6でも、十分に大きな揺れ。


瞬く間に、津波警報や津波注意報の範囲が広がってく中で、まだまだ現地の情報は届いていないまでも、なにかしらの被害が出ることは間違いない…と感じていました。


11日、夕方から仕事の予定が入っていましたが、勤務先に電話を掛けても繋がらない。


職場との連絡方法が電話しかない為、どちらにしても電話で連絡を取るしか術がないのです。


なんとか電話が繋がった後、そこは予想通り…といいますか、やはり電車などの公共交通機関が止まってしまった影響で、出社出来ない人達がかなり出ているとの話が出たので、取るものもとりあえずで、出社時間を前倒しして職場に向かいました。


出社途中、道路を走る路線バスの姿を見て「あぁ、バスは走っているんだな」と思ったものの、その後も首都圏の鉄道網は完全に麻痺してしまい、朝から職場にいた友人は帰宅する術がない。


職場付近のバス停には、駅へ向かう目的なのか、少しでも自宅までの距離を縮める目的なのか、長い長い列。


友人は「いざとなれば歩いて家に帰るよ」と話していましたが、普通に歩けば5時間、6時間以上掛かる距離があるので、そこを無理を押して歩いて帰るのはどうなのだろう?という思いが自分にはありました。


最終的に、歩いての帰宅も困難…という人達は職場に泊まりこむことを決めた様でしたが…。


自分の仕事が片付くまで、近くのマクドナルドで待機していた友人。


時刻が22時30分頃になると、一部の地下鉄、私鉄が運行を再開していましたが、それでも友人の自宅よりは、遥かに手前の駅までしか運行をしない状況でした。


鉄道網が麻痺していることを受けて、家族や友人を迎えに行こうとする車で既に道路は渋滞気味。


「なんとか途中の駅まで行けたら、そこからは歩くよ」


その「なんとか途中の駅」だって、自宅からはまだまだ遠い距離にあるワケで…



とはいえ、友人宅に道路を使って移動しようとすると、途中に年中渋滞している道路があって、確実に渋滞に嵌まることは予想が出来ていました。


しかしまぁ、渋滞の状況もわからないし、時刻は着々と深夜に向かっていたこともあり、「どうなるかわからないけど、まぁ、送っていくよ」と友人をパッセンジャーシートに乗せて走り出したのです。



片道、約20km程の道のり。

普段なら、途中で多少の渋滞に巻き込まれても小1時間は掛からない距離を、ジリジリしか動かない渋滞に嵌まって、約2時間半後 友人の家に到着。


渋滞に嵌まった車両の脇を、黙々と歩き続ける人の姿は深夜になっても、まったく途絶えることはありませんでした。


途中、建物の低い塀の上に腰を下ろして項垂れている人


何度も何度も後ろを振り返り、通りかかるタクシーに向かって手をあげる人


営業中の飲食店を横目に、逡巡しつつも通り過ぎて行く人



自分はバイクなので、友人以上の人を乗せることが出来ません。

また、友人を下ろした後であっても容易に「後ろに乗ってください」とは声が掛けれない状況でした。


いかに渋滞しているとはいえども、少しずつ車列が移動する中で、ヘルメットを被って貰ったり、パッセンジャーシートに腰を下ろす間は、その渋滞の列から離脱をしなければなりません。


あとはまぁ、四輪車に比べると二輪車にパッセンジャーシートに乗るという行為自体が、不慣れだとハンドルを握っているこちらにも負担を掛けてしまうので、転倒などの危険性を伴います。


それでも、友人を送り届けた後、今度は自宅へ戻る道すがら、歩道を黙々と歩いている人を1人でも乗せてあげられないものだろうか…と思い続けていました。


結局、友人宅へ向かう方向へ歩く人は人数が多いものの、自宅へ向かう方向へ歩いている人の数は、深夜2時近くになっていたこともあったのか、殆ど見受けられない状態であったのですが…。


勿論、大渋滞中で正直、歩道を歩いている人の方が効率よく進んでいる場面も多くあった様に思えます。


ただ、多くの人はかなりの距離を歩いた結果、自分達の近くを歩いている状況であったとも思うので、あまり距離は稼げないまでも、10分でも20分でも歩かずに足を休められる時間があれば、また帰路を歩いてく元気をチャージして貰えたのではないのかなぁ…という単純な気持ちで、渋滞に嵌まった車を前後に考えていました。


どの車両も、概ね 運転手以外の人影はなく、これからどこかへ迎えに行く途中なのか、自分の様に送り届けた帰り道だったのではないかと思います。


正直、女性ドライバーの方が見知らぬ誰かを「困っているのでしょうから」という思いからであっても、容易には「少しでも乗って休まれていきませんか?」と声を掛けるのは厳しい状況でしょうし、国産車は右ハンドルで、最も道路に近い歩道を歩く人に声を掛け辛い位置関係にあったりするので、声を掛ける…という行為を難しくしている部分があります。


それでも、かつて最終バスに乗れずに道路をテクテクと歩いていた自分達に、通りすがりの大型トラックの運転手さんが声を掛けてくれたり、「乗せていくよ」といわないまでも「大丈夫?もう少し先に行くと大きな通りがあって、そこならバスがまだ走っているよ」と声を掛けてくれる人達がいるだけで 素直に「ありがとうございます」と言えたし、「そうか、それならもう少し頑張ろう」と思う希望を与えてくれたことを思い出したのです。



その後も鉄道各社の運行状況は混乱していて、運行を中止する区間が多く、通勤困難者が沢山発生しました。

そんな状況の中、「なんとか出社しなければ…」とか「自宅内に非常用食料がないから買いに行かなければ」と様々な理由から車を使った結果、ガソリンスタンドに今度は長い長い列を作って並んだ方も多かったのではないかと思います。




11日を含め、都内だって、かなり揺れて被害の出た家は沢山あるのです。

しかしながら、甚大な被害ではないので、多くの人は出社することを余儀なくされ、交通網が麻痺している中で「なんとかして行かなければ」と普段はやらない自動車、二輪車での出勤をされた方も多くいらっしゃったことでしょう。


自分の仕事先は、何らかの災害が起こった時程、多くの人員を必要とする職場なので、なんとか職場に連絡がついた時も「歩いてきて時間が掛かっても構わないので出社してください。お願いします」と言われました。


徒歩でも這ってでも(実際這って移動してみたことはありませんが)辿り付ける距離にある仕事場だと、遠方に住んでいる人よりは確実に出社可能と判断されるのは当然ですからねぇ…( ̄ー ̄;


有給返上で何日か過ごしている間に、なんとか鉄道網の運航状況も拡大されて通常運行状態に近づいた路線が増えたので、出社出来る様になった人達も増えて、連勤から解放されました。



しかしまぁ、輪番停電で信号機が使えない状態でも、ガソリンや燃料さえあれば走り回る路線バスは強いですね!!

各地で利用者が減って路線が廃止されたり、運行本数が激減している話をよく耳にしますが、道路が被害さえ受けていなければ、鉄道ほどではないものの中規模の人数を一度に搬送可能な公共交通機関であることを実感された方が多いのではないでしょうか。


自分は歩いていける距離なら徒歩で…と思う方ですが、駐車場や駐輪場の問題を考えると、そこそこ近場なら自動車やバイクで移動するより、バスや電車を利用する方が良いと平素から考え、公共交通機関を利用しています。


今後、日本のエネルギー消費のあり方を抜本的に変えていく必要がある中で、公共交通機関の有り方も重要なポイントになっていくのでしょうね。