オブシディアンの指環には、いくつかの石が登場する。

 

まずは、タイトルにもなったオブシディアン。

和名は黒曜石。

それから、琥珀。

そして、翡翠に紅翡翠。

 

5年前に書き始めた時には、これらの石が登場する予定は全くなかった。

書き進めて行くうちに、何かシンボリックなツールが欲しくなったのだ。

 

ある年齢以上の方には、ご存知の方もいるかもしれない。

「ウルトラブレスレッド」

 

そう、帰ってきたウルトラマンが怪獣ベムスターに倒されてしまった後

ウルトラセブンが持ってきてくれた最終兵器だ。

設定では、ゾフィーが発明したことになっている。

 

ちなみに、帰ってきたウルトラマンの本名は、ウルトラマンジャック。

 

このウルトラブレスレッド、実はものすごい武器なのだ。

普段は金の腕輪。ところが、これが様々な形態に変化して、すごい武器に変化する。

 

一番、メジャーなのが、ウルトラスパーク!

どんな怪獣も切り裂いてしまう。

ブレスレッドボムという、爆弾にもなる。

ウルトラディフェンダーという縦にもなる。

槍にもなるし、ブーメランにもなる。

 

実は、初代のウルトラマンに比べて、ちょっと弱い感じだったジョー。

ベムスターは今でも人気のある怪獣らしいけど、

あの当時は、めちゃくちゃ強かった。

 

そのベムスターを倒すために起死回生の武器として登場したウルトラブレスレッド的な

物語を象徴的するツールにアイディアが及んだのは、本当に偶然だった。

 

物語の中では、オブシディアンは、主人公を導くツールとしてだけではなく

敵の接近を知らせたり、

主人公の藤井夢心の主戦である天羽々斬剣が収められたりする。

 

指環と剣が反応して剣先が光るというアイディアアは

まさに天から降ってきた感じだった。

というより、物語を書いているまさにその時に、降りてきたのだ。

 

表紙に指環を描かなかったのは、

それぞれの読者が頭の中で描いたものが、

それぞれのオブシディアンの指環になるから。

 

だから、読者の数だけ指環がある。

悪しきを払い、良きものを呼び寄せるオブシディアンの指環

 

あなたは、どんな形を想像しますか?