巷で騒がれている「空前のバイクブーム」について、違和感を感じるジジイです。
キーワードは「リターンライダー」
そもそもファッションや景気についても、ある程度の周期と波があるわけで、バイクブームも繰り返し来るとは思いますが、今現在の状態をマスコミが取り上げるほどブームになっていないと思ってます。
私はリターンライダーと言う言葉はあまり好きではない。何故なら戻ってきたわけではなく、魅力的な乗りたいバイクが無くてバイクを所有していなかったライダーとしか思えないからです。
◆空前のバイクブームとは
私は、「第二次バイクブーム」と言われた時代をちょうど青年期に過ごしました。
ですが、私がバイクにかかわる前の「第一次バイクブーム」はどうかというと「過激な最高速競争」の真っただ中で「ナナハンブーム」ともいわれました。
各メーカーが最高速200kmを超えるバイクを作り、メーカー間で競争をしていたころです。
1970年当時の背景としては
- バイクが高価なもので、今のような簡単な審査でローンや月賦での支払いが難しかった。
- 暴走族などの取り締まりが強化され、規制・法律が改正された。
- 騒音・排気ガス規制などの規制が厳しくなった。
などがあって、一時ブームは衰退していきました。
1980年後半からの「第二次バイクブーム」では、、最高速ではなく、サーキットでの速さをフィードバックさせて、過激な馬力競争になり「レーサーレプリカブーム」とも言われました。
ほぼ1年に1回はモデルチェンジして、常に最新バイクが世の中に発表されていきました。
背景はどうだったでしょうか?
- 最新バイクが高価なものではあったが、簡単な審査でローンが組みやすくなった。
- ローリング族などの取り締まりが強化され、道路通行規制などが行われた。
- 騒音・排気ガス規制などの規制が厳しく、各社馬力の自主規制を行った。
など、自主規制による同排気量の馬力低下によって魅力が失われブームは衰退していきました。
メーカーの生産台数も80年90年ピーク時の1/10まで下がりました。
◆本当に第三次バイクブームと呼べるのか?
そして2021年、マスコミが上げるバイクブームはどうなっているでしょうか?
バイクメーカーの競争はさほど大きなものはなく、環境規制に対するユーロ4やユーロ5対応するために価格が高騰して、利益の少ない小排気量バイクはカタログ落ちするものも多く、新型車種が非常に少ないです。
しいて言えば安全面の電子制御が進化して、コーナリングABSやらトラクションコントロールにいたるまで、小排気量にまで採用されるようになり、さらなる価格上昇が起きています。
では「第三次バイクブーム」とは・・・何ブームと呼ぶのでしょうか?
一応過去のブーム同様に背景を上げると
- バイクが超高価なもので、乗り換え前提で残価設定ローンなどが現れたり、デフレのおかげで低金利ローンが組めるようになった。
- リターンライダーが現れた。
- 騒音・排気ガス規制などの規制が更に厳しくなった。