夢の場所 北アルプス | 笑旅-ぢえまの日記-

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又あふと思ふ心をしるべにて
道なき世にも出づる旅かな

見るからに何処にでもいそうな職人のおじさん
よく見ると長い人生を物語る深いシワが幾つもある
けれど深い力ある瞳をしたおじいちゃんだと正面を向いて
ラーメンを御馳走になってる時に気付いた

岐阜との県境の道の駅まで乗せてくれるとの事
北を目指していたボクには願ったり叶ったりだった

車中でおじいちゃんの話を聴かせてもらった
初めは正直、信じられない話ばかりだった
土地の売買の話や数百万、数千万単位のお金の話
普通の職人には夢物語のような話
特に今の建築業は厳しいと友人からも聞いていただけに
何かズレを感じていたけれど
すべてを聴く頃には辻褄がピッタリと合った

どうやらこのおじいちゃんは日本でも有数の職人さんで
この人の仕事を日本中のお客さんが待ってる程の技術者のようだ
仕事を依頼しても4、5年先は当たり前みたいで価格競争のような事も無い
下請けにも自分たちの仕事の評価が下がるので流さないらしく
値を下げて施工業者から営業する様な今の時代の流れとも違う
同業者ですらわざわざこの会社の技術を
スパイのように盗みに来る事もしばしば在るそうだ

おじいちゃんは自分に厳しくやってきた努力と根性の人
それだけ『匠』なのだ

降ろして貰う予定の道の駅を過ぎて
岐阜を越えて長野県に入り憧れの北アルプス
上高地の辺りを通って塩尻のトラックステーションまで
好意で連れて来てくれた
距離にして170キロ、7時間にも及ぶドライブ
失礼ながら車中で何度もウトウトしてしまい降りる頃には
自分が何処にいるのか判らなかった

最後に優しく起こしてくれたおじいちゃんとはそこで別れた

お世話になりました

雨は今にも降りそうな気配を漂わせていた
紹介してもらった休憩室は24時で閉まる事を知って
ボクはまた歩き出した

2時間ぐらい歩き塩尻駅を越えた辺りでコンビニを見つけた
時刻は午前1時を過ぎていた
パンと牛乳を食していると一台の車が入って来た
ボクのバックを見て24時間やってる休憩場(トラックステーション)まで
送って貰える事になった

感謝

着くとそこは怪しげな場所だった
ジュースの自販機よりも
アダルトな自販機の方が多くて笑えた
そんな場所だから丁寧に暖房が効いてた訳じゃないけど
ボクにとってはとても暖かく感じて
その気は無かったけどイスに座ってたら寝てしまった

そしてこの場所に面する道は無知なボクでも知っている
『国道20号』甲州街道である

ボクの歩みは自然と神奈川に向いていた

続く


愛と感謝と笑みをすべてに

laughter