世界侵略: fronabstochadのブログロサンゼルス決戦』 | fronabstochadのブログ

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友の死を嘆くヒマがあれば、亡き友のために使命を果たす. それが海兵隊の誇り. 突然のエイリアン襲来により壊滅状態となったロサンゼルスで、民間人救助に当たる海兵隊の姿をモキュメンタリーで描くこの映画. 迫力ある市街戦は結構面白いのですが、ただ同じ侵略モノの 『スカイライン-征服-』 と比べると、突き抜けた面白さがなかったのが少々残念でした. 前置きをほとんど置かずにエイリアン襲来のニュース映像から一気に壊滅状態になっていくロサンゼルスの街並みを描くことで緊張感を高めてくれるOPから、とにかく面白い要素が満載. 空爆予定地域に残る民間人救助を目的に一小隊がエイリアンがうごめく最前線に赴く姿は、まるで 『プライベート・ライアン』 のようですし、またそこで繰り広げられる市街戦の面白さも格別. 特に屋根伝いに徒党を組むエイリアンに囲まれる緊張感、急所が分からず反撃のしようがない怖さで覆われた市街戦の面白さは、警察署で民間人を救助してからのバスでの逃亡劇でさらにリアルな面白さが加味されることで、緊張感も高まること. 敵の銃撃から民間人を守る、民間人が逃げる時間を稼ぐ、退避ルートを確保するなど、海兵隊員がそれぞれの役割を果たしながら、「敵を倒す」ではなく「民間人を守る」に徹しているところは凄く面白かったです. ただこの辺りから子供たちをロープで高速道路から退避させるシーンやマルチネス少尉の死を経てナンツ2等曹長と隊員が想いをぶつけ合うシーンが短いなど細部の描き方が緩くなったり、前半とは違いドキュメンタリータッチの映像が少なくなるなどと、普通のドンパチ映画と同じようになってしまっていたのが少々残念なところ. 特にナンツ2等曹長が敵の母艦探索に行くとヘリを降りたら、生き残った6人の海兵隊員も後に続くのはあまりにも定番すぎる展開. まぁここは 『七人の侍』 に対するオマージュと思うことにしても、無線連絡を買って出たカールが犠牲になるのもちょっと定番すぎましたね. 結局後半は海兵隊の活躍を美化しているようにも思える内容で、ミサイル誘導用のレーザーを守り抜く姿にもそれほどの盛り上がりはなく、敵母艦が撃沈しても高揚感もさほどなし. やはり前半のようなモキュメンタリー映像で、かつ圧倒的に人類が劣勢な状況下でいかにこの海兵隊が頑張るかを後半も続けてほしかったですね. ラストに関しても、亡き友のために自分たちは海兵隊としての使命を果たすだけとばかりに、少しの休養の後に再び装備を整えて戦場へと向かっていく姿は格好いいものの、そこにもどこか突き抜けたモノがなかったのは事実. 決して退屈ではなく、むしろ116分間ずっと休むことなく続く市街戦にスクリーンに釘付けになるのですが、見終わった後に疲労感を感じることがないのはこの手の映画ではちょっと残念. できれば 『クローバーフィールド』 のように116分間ずっとハンディ映像にしてくれた方が面白くなっていたのでは? と思えた映画でした. 深夜らじお@の映画館 はアーロン・エッカートのアゴの割れ具合が結構好きです. ※お知らせとお願い ■ 【元町映画館】 に行こう. 衝撃作. それ以外にこの映画を評する言葉が見当たらないくらいの衝撃作でした. 微笑みの国と言われているタイの笑顔は大半が悲しい作り笑いだったのかと思ってしまうくらいに恐ろしいまでの児童売春や臓器売買、そしてそれに絡む日本人を始めとする外国人たち. これが事実であれ真実であれ現実であれ、地図にしてわずか20cm先の国で行われていることだと思うと、何も知らないことさえも重い罪であるように思える作品でした. 臓器売買や児童買春、それは普段の私たちの生活からすれば遠い異国での「悲しいお話」. そこに日本人が絡んでいてもまだ現実味のない話. でも日本人の子供の心臓手術にタイの健康な子供の心臓が使われると聞いて、しかもドナーは麻酔を注射され生きたまま心臓を摘出されると聞いて、誰が日本の子供とタイの子供の間に誰もが納得する違いを見出せますか? 共に同じ子供、ただ生まれた環境が日本かタイかだけの違い. なのに片方は人間として扱われ、もう片方はモノとして扱われる. 病気になった子供が黒いビニール袋に詰められてゴミとして捨てられるくだりでは、微塵も人間扱いされていないことが本当にショックでした. そしてもっとショックなのはこの闇システムにより人間の心までもが歪になってしまっていること. ボランティアの恵子が言っていたことは確かに間違いなく正論ですが、正論だけでは何も解決しない現実に苦悩する梶川夫婦や売春宿にいた口ひげのタイ人男性が最後に見せる笑みは南部や清水の言うとおり、このシステムを壊す以外に解決方法はないんですよね. だからこそ自分にできることをする. それが目の前にいる助けれない命の最後の表情だけはしっかりと写真に収めることであり、子供の腕ではなく手をしっかりと握ることである. そして我々はこの映画を見ることだと思うのです. ラストで南部の正体が明かされますが、どんな人間でもその闇システムに関われば心が崩壊し、心が崩壊したくなければその闇システムに関わらなければいいと思ってしまうのはまさに『トラフィック』を見た時と同じ感覚でした. そして最後に鏡に映った与田と清水の表情. どことなく壁一面に張られた新聞記事にある犯罪者と普通に生活している我々は紙一重、いつでも誰でも南部のようになってしまうような恐怖を感じました. オープニングでは満月だったのにラストでは三日月になっていたのも、闇の広がりとこのままでは明るい未来が消えていくようなメッセージを感じました. ちなみに私が見た上映回では隣の席に小学5年生くらいの女の子が夏休みの宿題のためか、母親と一緒にこの映画を見ていましたが、果たして彼女には理解できたのでしょうか? いやそれ以前にこの映画を受け止めることができたのでしょうか? 大人でも衝撃作と思える映画だけに、人生のトラウマになるほどのショックを受けていないことだけを祈ってしまいましたよ. 深夜らじお@の映画館 は基本的に20歳以上の女性が大好きです.