或るひつじの日記 -10ページ目
このひとも

最初に命を感じたのは
ひいおばあちゃんの訃報
あのときはお櫃に入った
おばあちゃんの顔をみて
ああ、もう会えないのかと
ぼんやり思った
次に向き合うきっかけとなったのが
看護師になってからであった
ある患者さん
それがなかなかの頑固者
言うことはぜんぜん聞いてくれず
なかなか大変なひとだった
でも最期のとき
奥さんが
「結婚記念日までがんばろうとしてくれたんだね。
その気持ちがうれしいよ。ありがとう。」
とやさしい顔で話してて
ああ、このひとも
だれかの大切な人なんだ
と
実感した瞬間だった
どうか
命つづくかぎり
互いが互いを大切に
慈しみあって
みんな笑いあえますように




