
まだ私が幼かった頃、赤い色にはまったく興味がなかった。
赤い洋服も極力避けていたような気がする。
そんな私でも、なぜか赤い花だけは大好きで…
そして一番好きだった赤い花が彼岸花だった。
ある日、家に飾ろうと摘んで帰った時、祖母に言われた。
「彼岸花を家に飾ると火事になるから、捨ててきなさい」
今よりもずっとずっと素直だった私は慌てて彼岸花を川に捨てに行った。
それからしばらくは彼岸花を見るたびに祖母の言葉を思い出して、花に近寄ることさえもできなかった。
いつ頃だろう。
彼岸花に曼珠沙華という別名があるということを知ったのは…
山口百恵の歌にもあったなぁ『曼珠沙華』
今でも、この花を見ると祖母の言葉を思い出す。
今は平気で近付くけどね…
曼珠沙華の花は、私の記憶の中の赤いページに大切に綴られている。