サルくんは物陰に隠れて、家から出てきた人間をそーっと見てみました。
それは、大きなパンを抱えた小さな女の子でした。
女の子はサルくんのすぐ近くまで歩いて来ました。
サルくんは一瞬身構えましたが、女の子はサルくんには気付いていないようでした。
女の子は手にしたパンを小さく千切って雪の上に撒きました。
すると、どこからか飛んできた小鳥がそのパンをついばみ始めました。
サルくんの目は、初めて見るそのいい匂いのするモノに釘付けになりました。
さっきまでの恐怖心はどこへやら…
辛抱できなくなったサルくんは、ふらふらと女の子に近付いていきました。
その時、気配に気付いた女の子がサルくんの方を振り返り叫びました。
「あーっ!!サルだ!」