起きろいのえ(前編) | 続・真古今バカ集

起きろいのえ(前編)

いのえは激怒した。


「仕事っつったってイチ地域のお祭りですよ?祭りよりまつり(松田里奈)でしょう?」



ダメダメダメダメ((((;゚Д゚)))))))ドンッ




いっそ金・土開催ならワンチャン…


さぁこれから運営・メンバーとbuddiesに伝えよう。ライブは金・土だと。



「妹の結婚式は明日だと町のみんなに…」みたいに言うな(゜o゜)\(-_-)



規模的にせめてお祭りの方を動かそうとせぇ(゜o゜)\(-_-)




チケ神は言った。


「公式トレード成立せずに終わったから日曜日も席あるよ?どうする?」



いのえ


「私はちゃんと日曜日は仕事のために帰る覚悟でいるのだ。(泊まるとこないし、新幹線のチケットも予約済みなのだ真顔)」


「ただーーー」


「仕事までに二日の日限を与えてください。初日だけ…たった一人の推しに会いたいのです。二日のうちに私は推しを見届け、必ずここへ帰って来ますびっくりマーク



チケ神("たった一人の"推し…はてなマーク




♯㊤「推しが私を待っているのだビックリマーク「1日目?探すねー!」って玲ちゃんがミーグリで言ってくれたもんねーびっくりマーク



チケ神(…昇天



♯㊤「そんな私を信じられないならばよろしい、おさゆというヲタクがいます。私の無二の友だ。あれを人質として置いていこう。私が仕事に行かなかったら、あの友人を…締め出してほしい。頼むそうしてください。」



…改めてだけどメ●ス、ヤバいよな( ̄◇ ̄;)ドンッ



チケ神(…人質として置いて行くというかおさゆちゃんは普通に2日目も見れるわけで…昇天



いのえには竹馬の友があった。


おさゆである。


今は櫻の坂でまつりヲタをしている。


いのえは家を出発し、野を越え山越え大阪の市にやって来た。


女房もない。二十五の健気な推しのガチ恋勢だ。



「女房もない、十六の内気な妹と二人暮らしだ」のテンションでとんでもないことを言うな( ̄◇ ̄;)ドンッ


さすがにガチ恋勢ではない(多分)(゜o゜)\(-_-)



この推しは近々千秋楽を迎えることになっていた。


いのえはそれゆえライブTシャツやらラバーバンドやらを身につけ、はるばる市にやって来たのだ。


ライブは3ヶ月ぶりだから訪ねて行くのが楽しみである。


歩いているうちにいのえはまちの様子を怪しく思った。いつもよりはひっそりしている。なんだかやけに寂しい。



……暑すぎてヲタクたちが涼を求めてるせいだよ(゜o゜)\(-_-)




大きなツアーの終わり、新曲発表、宴に列席していたbuddiesたちは、なにか不吉なものを感じたが、それでも、めいめい気持ちを引きたて、広い球場の中で、むんむん蒸し暑いのも怺え、陽気に歌を歌い、手を拍った。


whatcha say we do( ̄◇ ̄;)拍手拍手拍手拍手



いのえも満面に喜色を湛えしばらくはチケ神との約束を忘れていた。いのえは、一生このままここにいたいと思った。いのえはわが身に鞭打ちついに出発を決意した。あすのまつりまでにはまだ十分の時間がある。ちょっと一眠りしてそれから出発しよう、と考えた。


いのえほどの男にも、やはり未練の情というものは在る。


(玲ちゃん、ツアー完走おめでとう。私は明日すぐ市に出かける。大事な用事があるのだ。お前のヲタクの仕事は雇われのサラリーマンだ。お前もそれは知っているね?働かないとお前に会うことも許されないのだ。お前も働く私と働かない私ならどちらがいいのか…。お前に言いたいのはそれだけだ。そんなヲタクがいたと記憶に残してくれ。)



3時間弱ほぼMCなしで駆け抜けるライブ。中には途中腰掛けるものもいたがいのえは櫻たちの頑張りへの敬意と思い立ち続けた…そしてホテルでは死んだように深く眠った。



ぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅ


(アラーム)


ぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅぐぅ





…起きろびっくりマークいのえ((((;゚Д゚)))))))ドンッ




(つづく)