ブルームーン伝説

皆さんは『ブルームーンキス』という曲をご存知だろうか。櫻坂４６の１stシングル『Nobody's fault』通常盤に収録された楽曲である。これまで多くのメンバーがセンターを務めてきたこの楽曲についてお話ししたいと思う。

大まかに説明すると『月の綺麗な夜に『僕』が『君』の唇を奪ってしまって落ち着かなかったりぎこちなかったり気まずい空気の中、恋人になれるかななんて想いを馳せる。』という話である。

主人公の一人称が『僕』であるが秋元康の描く主人公は８割が『僕』であり（♯㊤調べ）主人公が『男』であると決めつけるのは非常に短絡的で危険である。ちなみに♯㊤の場合この曲の主人公は女性だと勝手に解釈して聴くことが多い。影のあるメロディがどこか『禁断の恋』という印象を与え、（もしかするとこれは女性同士の恋なのではないか…！）などと考えてみたり、余計に♯㊤の想像をかき立ててやまないのであるが、今回は主人公『僕』が女性、君が男性であると仮定し話を進めていきたいと思う。

先日行われたバックスライブで３期生石森璃花が『ブルームーンキス』のセンターを務めた。結論から言うと、今回のバックスライブのＭＶＰに選びたい程素晴らしかった。

『新参者』公演の村山美羽ちゃんの『半信半疑』のように、時として『メンバーが曲を選ぶ』のではなく、『曲にメンバーが選ばれる』ようにしっくり来ることがあるのだが今回はこの『ブルームーンキス』が正にそれであった。

サビ前のセリフの「あ、キスしちゃった」と「あ、こんなに好き。」…という一言だけで会場の雰囲気を全て持っていったようにさえ思えたのだ。

センターが森田ひかるのオリジナルの『ブルームーンキス』の場合、どちらかと言うと恋に慣れていない主人公の『あどけなさ』が顔を覗かせるのである。「私、好きになっちゃったかも」感である。歌詞に出てくる『気まずい・ぎこちない空気』というのは『結果的にそうなってしまった』という感じがするのだ。『ブルームーンキス』には『用意周到なプラン』が存在するのだが、るんちゃんの『ブルームーンキス』は実行できるか分からないけど考えてみたプランを溢れ出した感情が押し出してキスとして表象されただけなのだから。

次に以前のバックスライブでセンターを務めた守屋麗奈の『ブルームーンキス』を見てみよう。これは『あざとい』のだ。きっとれなぁは俺のことを試しているに違いない。きっとれなぁの中での俺は『one of them』でしかなくて、まるでそんな俺の反応を楽しんでいるような『ブルームーンキス』であった。もし「遊んでる？」と聞いたらうるうるした上目遣いで「遊んでないよ？」って言われるに違いない。あざとさで本心を包んでいるのだ。

『新参者』公演の村井優はどうか。これは『悪女』という感じであった。試しているという点ではれなぁと同じ匂いがするのだが、優ちゃんに「遊んでる？」と聞いたら「ふふ、楽しんでる？」なんて逆に質問で返されてしまいそうな気がするのだ。俺は手のひらの上に置かれているだけ。『ブルームーンキス』の優ちゃんは非常に大人びていて、一線引きながらもどこかスリルを楽しんでいるのだろう。

問題の『バックスライブ』の石森プロである。この子の『ブルームーンキス』は俺の人生が狂う気さえしたのだ。『ブルームーンキス』とはそもそも『本当は確信犯のずっとプランを練っていた用意周到な』ものなのだが、石森プロは「あ、キスしちゃったぁ。」と言うところまでが台本におりこまれているに違いない。翌日みんながいるところで「♯㊤さん、昨日はありがとうございました。」なんてあの笑顔で言われてしまうのではないかと思うとドキドキが止まらない。こんなのすごく入念に洗顔とかしてしまうよ。１番好きになってはいけないタイプの子だ。この子を好きになると俺は幸せになれないんじゃないかとさえ思う。『驚かせちゃってごめんなさい』なんて本当に思ってるか？「chu！可愛くてごーめんっ」くらいにしか思ってないだろう？

『ブルームーンキス』のあと小田倉麗奈がセンターの『最終の地下鉄に乗って』が披露された。この曲はかなり好きな部類で最近披露される機会は減っているが、ライブ会場で聴くたびに涙してしまうナンバーである。小田倉ちゃんの落ち着いた雰囲気も相まって非常に素晴らしかった。のだが。なんだこの胸のざわめきは…。石森プロに「あ、キスしちゃった。」って言われて俺も「あ、キスしちゃった。」って思ってるよ。一方、小田倉ちゃんは『最終の地下鉄に乗って』帰らせているような錯覚。石森プロは最終の地下鉄を履いてきたヒールのせいで逃したに違いない。もう会わないと誓って来たのにそんな話をしようとしたときにキスしてしまった気分。いけない。このままでは月の光に導かれ何度も巡り会う…。

次のシングルが発表された。今週は２次応募がある。１回、１回ミーグリするくらいなら…それは浮気ではないよね。そうだよね。うん。間違いない。

…。

ずーーーーーっと何言ってんだよ(゜o゜)＼(-_-)