
「ゼウス、それはダメよ…」と
私達の話しを
姉は聞いていた
「此処から…
前世までの時空間
辿り着くまで険しい
時を逆戻りして
過去を修正
出来たとしたら
今、此処には居ない
戻って来れない
何よりも世界中の人に
影響を与え
軸がズレてしまう
過去は未来となり
いつか巡って来るから
同じ所に息つくなら
逆風より…
追い風を通れない?」
「大姉ちゃ~ん(>_<)

弟は大泣きした…
「やっぱりまだ子供だね…
母はどうされていますか?」
弟、海と姉は此処に来る前
サクラと言う国で?
何かあったらしい
私は少し羨ましかった
また、初めての“羨む”
心の痛みを感じた
「母は根の国で相変わらず
流されて来た
赤子の母となり
悪行をし
落とされた者の持つ
闇さえも…
飲み込んでおられます
熱くなったときは
僕の力で
冷ましたり出来てます」
海が、そう説明すると
姉は…
「ゼウスは天地を自由に
行き来できるから…
母に伝えて欲しいの…」
「死にたい…」と。

姉の一言は
重大な意味が
込められているようだった
弟は しばらくの間
驚いたようで…
動けずにいた
姉の胸の心には
無くなってたはずの
ガラスケースが
きちんと装備されていた
偽造物でなく
自分でコントロール
出来ていたのだった
この国には…
新しい命は芽生えない
そして…
“死”も一生
訪れることはなかった

この天国で
一生の“幸”を
手に入れたはずなのに
悲しみも痛みも
苦しみも嫌なこともない
怒りも我慢もいらない
病気や別れ死もない
何が不満なのか?
きっと…
母と言う人に
会いたくなったのだろう
そう私は思った
母…
私の母でも
ある人なのかな…
続く…
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