
こんな晴れた
青空の中だった
運転中の
貴方の左手が
私の右手を
握り絞めたとき
ビクンとした
胸の高鳴り
言葉かわさず
繋いだ手の
温もりで会話した
「早くおいでよ」と
差し伸べられた
手を取って
歩んだこの道
転んだときも
「ドジだな~」って
手を取って
困り笑い合った
優しく微笑み
浮かぶ記憶
その指先が
探るように
胸から降りてく
優しさが溶ける
恋しさが絶頂に
静かに眠る
繋いだ手のまま
重ね合わせた
手のひらが
指より月日を
数えるように
一本一本
つけ根の隙間に
織り込んでゆく…
貴方の親指
私の親指
貴方の人差し指
私の人差し指指…
貴方の中指へと
交互に…
確認し合うように
どんなに離れても
心の掌が覚えている
放すことのない
いつまでも
いつまでも
そのぬくもりを…

きっと人は…
互いの弱さを
互いの寂しさを
互いの愛を
強くするために
繋ぎ合わせるのかもしれない
奈透き 真実

掴んだその手を
振り払って
後悔しないように
大切なものは
見失った後に気づく
2013/03/23
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