夏の終わりを告げた
海
人影なく
静かな秋を感じさせる
潮風に
叶わね想い
泡となり
消えて行った
純粋な
精の物語

激しい嵐の中
遭難した船
あの方と出会った
哀恋の転機
嵐の中 助けたのは
自分だと
声にならない
押さえ切れない
行き場ない想い
どうか…
あの方の元へ
声と引き換えに
歩いて行ける脚
もしも
想いが叶わなければ
泡となり消える命
魔女と
交わした約束

あの方のそばに
近づけたのに
声にならない
伝えたい想い
貴方のそばに居たくて
貴方が忘れられなくて
“助けたのは私です”
別の人に
すり替わる
私じゃない その人と
寄り添う姿
声にならない哀恋
変えられなかった運命
長い綺麗な髪と
引き換えに
姉達が手に入れた
ナイフ
ひと突きに愛する人を
刺してしまえば…
私の命と引き換えに
あの方の命を奪う
どちらの選択を…?
あの方を刺し
その返り血で
脚を尾に戻せる
声も元に戻せる
姉達の心配と
努力も報われず
愛する人を
刺し殺すなど
出来るわけない
声と引き換えに
歩くたびに
激しい痛みが襲う
それでも
見ているだけの恋より
ほんの少しの
可能性に賭けてみたかった
穏やかな海
報われぬ恋は
叶うことなく
深く深く
泡となり
命と引き換えに
消えてしまった
誰も…
愛した人さえも…
気づくことなく

きっと…
家族を失い
声を失い
命までも失ったけれど
悔やんでは
いないと思う
何もせず諦めるより
奇跡に賭けてみた
愛する人の
眼中に映ることさえなかった
自分の姿
声には出来なかったけど
瞳に映る自分を見つけた
それがすべて
変えられなかった運命
与えられた宿命
切なく哀しい恋
貫いた想い


王子を殺せずナイフを海中に
投げ捨てますが衛兵に捕われます。
そして火刑に処されます。
騎士は人魚姫に殉じます。
火刑場の跡には


ストーリーと詩を混ぜ合わせながら書いてみました
