★源氏物語より★ | ☆永遠★

☆永遠★

祈りに変えて…


ドキドキ春の野に菫摘みにと来し我ぞ 野をなつかしみ一夜寝にける(山部赤人・万葉集1428)

はるののに すみれつみにと こしわれぞ のをなつかしみ ひとよねにける

「野には菫を摘みに来ただけなのに、離れがたくて一夜過ごしてしまった」


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ドキドキいにしへの秋の夕べの恋しきに いまはと見えし明けぐれの夢 (夕霧・御法559)

いにしへの あきのゆふべの こひしきに いまはとみえし あけぐれのゆめ

「遠い昔の秋の夕暮れさえ恋しいのに、もうこれきりと思われた夜明けの夢よ…」


ドキドキ見る程ぞしばし慰む めぐりあはむ 月の都ははるかなれども (源氏・須磨204)

みるほどぞ しばしなぐさむ めぐりあはむ つきのみやこは はるかなれども

「月を見ていれば心が慰められる。都に戻れるのは遠い先になろうが」


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ドキドキはかなくて同じ心になりにしを 思ふがごとは思ふらむやぞ (中務・後撰集594)

はかなくて おなじこころに なりにしを おもふがごとは おもふらむやぞ

ドキドキわびしさを同じ心と聞くからに 我が身をすてて君ぞかなしき(信明・後撰集595)

わびしさを おなじこころと きくからに わがみをすてて きみぞかなしき

「夢うつつのうちに同じ心になってしまいましたが、私が思うようにはあなたは思って下さらないでしょうね」

「この胸の苦しさはあなたも同じだとお聞きしては、もはや我が身はどうあれ貴女が愛おしくてならない」


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ドキドキかれはてん後をば知らで 夏草の 深くも人の思ほゆるかな (躬恒・古今集686)

かれはてん のちをばしらで なつくさの ふかくもひとの おもほゆるかな

「枯れることも知らず深く繁る夏草のように、離れてしまうことも考えず深く深くあの人を思う」


ドキドキ命こそ絶ゆとも絶えめ 定めなき世の常ならぬ仲の契りを (源氏・若菜上464)

いのちこそ たゆともたえめ さだめなき よのつねならぬ なかのちぎりを

「命なんて絶えてしまっても、二人の仲はそういう生き死にを超えた繋がりなのだ」