人間には五徳というものがあります。

仁・義・礼・智・信

これらが破られることによって、
五つのそれぞれに「鬼」が生まれます。







道教の教えでは、元々人は誰もが鬼を持っていて
若いうちに消化しておくことで徳につながるとされています。

よく昔話に出てくるのは青鬼・赤鬼ですね。
五行の中で、青と赤は若さを表す色。


鬼に若さの色がつけられているのは、
若いうちは鬼を持つ人間が
老いていくにつれて仏の心に近づいていく

という運命の法則も重なっています。



つまり、歳を老いてからも鬼を固く抱えていることは
不自然であり険しい老人となるのです。

「鬼」の部分、「劣等感」に置き換えていただくと分かりやすいかと思います。






五常鬼

▷智鬼
本来は頭がいいのに勉強が出来なかった、
持っている能力を生かせなかったという後悔や
勉強が出来なかったから人より劣るという偏見が鬼となります。
ゆえに正統の中の評価元ではなく亜流で新しいアイディアを出すようにはなります。
アイディアによる成功は出来ますが晩年までには偏見を払っておく方が良いです。


▷礼鬼
言葉に出さなかった後悔。自分の思いを伝えなかった後悔。
人見知りで・・といって自分はコミュニケーションを取らないにもかかわらず
他人には礼儀や礼節を強く要求するという特徴があり、
礼渦(れいか)といって段々人が遠ざかるので一匹狼的な傾向になります。
集団の中での挨拶を心がけるところから消化していくと良いでしょう。
また、相手の身分によって態度を変えるのも礼鬼を持つ人です。


▷仁鬼
責任を放棄した後悔。
困っている人を見て見ぬふりをしたことへの後悔。
責任を取らなくてもいいように仕組む傾向があります。
例えば、子どもが生まれても親としての責任をとらなかった場合は
仁鬼を持ち続けることになります。責任逃れをする傾向にあるので
晩年孤立や才能あっても補佐役で止まるなど後悔の大きい鬼といわれます。
仁鬼を払うには仁徳を行なうこと、つまり勇気を出して人助けをすることです。


▷義鬼
約束を守らなかった後悔。
「義」というのは約束事です。(義徳のある人は結婚記念日を覚えていたりします。)
義鬼は自分が約束を破るところから他人に対しても不信になっていきます。
義鬼を払うには自分に自信をもつために得意な分野を作ること。
そして人を信じてみることです。特技ある人はわりと早く義鬼を払えるようです。


▷信鬼
「信」は智・礼・仁・義があった上で二次的に出てくる世界です。
偏見があったり、礼儀がなかったり、困っている人を助けなかったり、
約束を破っていると、どれも「信頼の損ない」につながります。
信頼とは人間的魅力です。
それが鬼になっていくと策略で人を惹きつけようとして
目先の財力や地位を餌にするので表面だけの形になります。
そして、信鬼が引き寄せる人もまた信鬼を持つ傾向があります。
信鬼を払うには小手先ではなく中身のレベルをあげることが必要。
本来、有能な人を集めたければ金銭ではなく、
自分の次元が高ければ必然的に集まってくると説かれています。







ここでいう鬼は代々の因縁ではなく、
自分の代でつくる後悔や劣等感を指しています。

これら五常鬼は誰しもがある程度は持っているもの。
仏の心のみでは商売も出来ませんし融通もききません。

若いうちは、心を鬼にして生き伸びていく。
バランスよく鬼を使いながら 現実生活を作り出していき
晩年には仏のようになる・・というのが理想的な流れのようです。

また、庶民から成功者に成り上がっていくと
小鬼から閻魔大王にと、鬼も出世?するそうです。
大成するほどに鬼の消化活動が必要になってきます。

「鬼ばばあ」とは言わせない言われないようにしたいものです。



朱音算命学 rain
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