老子 道徳経 下篇

第48章

 

とにかく無事でありなさい


原文

ウェイシュエリーイー  ウェイダオリースン

為学日益 為道日損。

スンヂーヨウスン  イーヂーユィウーウェイ

損之又損 以至於無為。

ウーウェイアルウーブーウェイ

無為而無不為。

チュティエンシアチャンイーウーシー

取天下常以無事。

ジーチーヨウシー  ブーズーイーチゥティエンシア

及其有事 不足以取天下。

 



書き下し文
学を為せば日々益し 道を為せば日々損す。
これを損してはまた損し 以て無為に至る。
無為にして為せずは無し。
天下を取るには常に無事を以て。
その有事に及んでは天下を取るに足らず。









「よけいな事をしない」をする

 

アメ語訳

学問の道を歩めば、日々知識が増える。
タオの道を歩めば、日々知識が剥がれる。

知識を剥がして、剥がして、
よけいな考えを働かせたりもしない。
そうやって無の境地に行き着く。

無為であれば出来ないことはない。

その道を極めたいのであれば
よけいな考えや手出しはしないで
無事に専念しなさい。

よけいな私語を挟んで場を乱すようなら
本物の一流とはいえない。



Translated by アメ
リッツ カールトン大阪 にて



 



 


アメのフタコトミコト

中国 春秋時代、

「一」から「了」までを修得した

諸子百家たちは

「子 (し)」を付けて尊称された。


老子 / 荘子 / 孔子 / 孟子 / 荘子 /  墨子 /

韓非子 / 鬼谷子 / 列子 / 荀子 / 呉子 …



「一」から「了」までを極めたら

ゼロの「無」に至る。

おもてからは姿を消し、去っていく。


一歩一歩、前に出て

頂点のピークを超えたら、あとは

一歩一歩、後に引いていく。


本物の一流は

自分の仕事にまっとうしていて

よけいな儲け話を増やしたりしない。

休むべき日は休養をとる。





思想家の話に限らず、


わたし達も生きていると

あるとき、至福すぎて

「この瞬間のためにここまで来たのかも」

と理屈ぬきのピーク感が

込み上げてくる経験があるかと思う。


ただただ満ちていて、

思考がIQ3くらいになって

心配も後先もどうでもよくなって

ただの絶頂でしかない肉体のかたまりで。


あのピークみたいなひととき、

限りなく「無」に近くて

最も生命を極めている瞬間な気がする。



「有」を追い求めた先、

絶頂は「無」だと気づく。










 

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