老子 道徳経 上篇

第11章

 

 

 
 

無用の用


原文


サンシーフゴンイーグー ダンチーウー ヨウチョヂーヨン

三十輻共一轂。 當其無  有車之用。

ティンジーイーウェイチー ダンチーウー  ヨウチーヂーヨン

埏埴以爲器。  當其無  有器之用。

ザオフーイオイーウェイシー ダンチーウー  ヨウシーヂーヨン

鑿戸牖以爲室。 當其無  有室之用。

グーヨウヂーイーウェイリー  ウーヂーイーウェイヨン

故有之以爲利 無之以爲用。

 

 
 
 

書き下し文

 

三十の輻は一つの轂を共にする。
その無にあたりて車の用が有れる。
埴をこねて器をつくる。
その無にあたりて器の用が有れる。
戸窓をあけて部屋をつくる。
その無にあたりて部屋の用が有れる。

ゆえに
有の利を為すには無を以て用を為す。



 




無用のおかげで有効にいたる



アメ語訳


自転車のタイヤを見てみて!
何本かのスポークが放射線状に
真ん中のハブに空いた穴に差し込まれて
車輪として機能してるでしょ。

コップやボウルを見てみて!
内側が空いてるから
器として機能してるでしょ。

今いるおうちを見回してみて!
室内にスペースがあるから
お部屋として機能してるでしょ!

何かを、有能に動かしたり
有効に入れたり有益に置けるのは
空っぽの「無」があってこそなんだよ。


( 空白スペースの重要性を
  キミには見抜いてほしいんだよ )
  
  


Translated by アメ
高野山 奥之院にて 


 


 


輻・・・車輪のホイール部分の棒
轂・・・車輪の中心部分のこしき
埴・・・陶器を作る粘土





 

アメのフタコトミコト

「空気」は目では見えないけど

人間が活動する上でなくてはならない。

空気があってこそ「活動」ができる。


休暇があるから、勤務ができるし、

余白があるから、充実がかなうし、

睡眠があるから、活動にいたるね。



派手に目立つパフォーマンスは

目立たないほど地味なお陰様のおかげ。






 

 

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