かれこれ、ベルギーに3年半近く住んでいるというのに、よその国にばかり目がいっていた我が家。今さらながら、ベルギーめぐりがブームです。

今回は、ブリュッセル近郊の町の運河へ。
ここは、高低差がある運河をエレベーターとでもいうべき仕組みを使って渡るのが見所。
細かい説明はわからなかったけれど、要は水圧のみを利用しているということらしい。

船に乗りこみ、のどかな景色を進むと
あひる

まずは、回転橋と跳ね橋。橋守さんが、手動で開けてくれます。
はし

次はいよいよエレベーターへ。これで、17メートル下の運河まで降りるのです。
エレベーター


2台のカーゴがあり、1台が下がると1台が上がる仕組み。
1

船がカーゴ内にいる間は前後の扉がしまり、降りきると、出口側の扉が開きます。
扉の下をくぐる間、水がしたたりまくり!藻にまみれて、濁った水が!
え2

これを通るとさらにまたエレベーターが。2013年に新しく設置された自動水門と呼ばれるものらしい。船が入ると、中の水が放出されていき、自然に下がる仕組み。
え3

この瞬間に、高い方の運河の扉が間違って開いたら…と、ちょっとドキドキしつつも
無事に低い運河に到着。
2

運河全体には4台のエレベーターがあり、以前は時間をかけて乗り継ぎながら、石炭を運んでいたのだそう。
今は、2002年にフニクラ型の(つまり電動の?)最新エレベーターができ、一気に73.15メートルの高低差を上下できるのだとか。
ふにくら
乗ってみたかったけれど、残念ながらシーズンオフ。
「来年来てね」とガイドさん。来年かぁ。うーむ。

天気に恵まれ、のどかな週末でした。
W杯期間中、街中ではサイドミラーがベルギーカラーのこんな車をよく見かけました。


スイスやらイタリアやら、各国の旗をはためかせながら走る車もちょくちょく。

こんな賑やかな車が多い中、地味でありがちな私の車がなぜか人々の注目を集めていました。

原因は、これ。


教習車についてる棒みたいなやつです。(写真はamazonから拝借)

実は日本でほぼペーパードライバーだった私、こちらでの路上デビュー時に、わらにもすがる思いでつけたのです。さすがに慣れてきた今も、なんとなくお守りがわりにつけたまま。
が、これ、ベルギーではどうも流通していないもよう。

以前から、スーパーの駐車場や路上で、何やらじろじろ見られてるなあとは思っていたのですが、最近になって、ついに質問してくる方々が続出。

たとえば、アパートの車庫のお隣さん。
「日本では初心者がつけるんだよ」
と言ったところで
「あー、やっぱりね。オレもそうかと思ってたんだけど、親父が納得しなくってね。」
とすがすがしい顔に。
そう、自分には何のメリットもない代物と判明した時点で、あっさり去っていくケースがほとんど。みんな一体、どんな期待を寄せていたのやら。

私がなぜ付けているのか、どうしても納得したいケースの場合は少々やっかい。
たとえば、通りがかりの植木屋さんのグループ。
「この棒があるとね、車の端っこがどこにあるか確認できるんだよ」
と説明するものの、たどたどしすぎたせいか、みんな無言。

と、一人が「わかった!」とおもむろに棒を水平に横倒しして、
「こうやって、たとえば車庫の壁から、車までの距離を測るわけだね」
つまり、巻尺的に使うのだと!?残念、あくまでも運転席から見るわけで。
結局、理解をあきらめて、「運転がんばれよ」と腑に落ちない顔で帰って行った彼ら。
一体、私はどうやって説明すればよかったのか。。。

そもそも、ベルギー人はなんとなくみんな運転がうまくて(or荒くて)
こんなものを必要とする感覚そのものが理解できないのかもしれません。
教習学校も、独自の教習場がない場合が多く、いきなり路上に出るのだとか。
(そして、適当な空き地で教官と縦列駐車の練習をしている)

見知らぬ人が自分の車をのぞきこんでいると、スリか!?駐禁か!?と身構えてしまい面倒だけれど、こうなったら、ずっと付け続けて、周囲のみなさんの妄想をかきたててみようと思います。そして、いつか、私と同じへたれドライバーさんに「そういうの、私もほしかった!」と言ってもらえるといいなあ。
色々と物騒なニュースが多いイスラエルですが、どうしても気になって行ってきました。
(もう1ヶ月も前のことです)

首都エルサレム。街中は拍子抜けするくらい、平穏で賑やか。
バスもトラムも走ってます。
ち

旧市街は、ユダヤ人街、アラブ人街…と様々な区画が。
敵対している!?ユダヤ人とアラブ人が隣合わせで暮らしているなんて。この国が抱える事情はややこしい。
う

イエスが死刑を宣告された(とされる)教会。
信者ではないけれど、実はカトリックスクール育ち(12年も)。まさか、この場所に立つ日が来るとはなあ。何より、2000年以上も町並みが維持されていることがすごい!
し

十字架を背負って歩いた道。
ここで、マリア様が見ていて、、と聖書のエピソードを追いながら歩く。感慨しきりな私。訳もわからず歩かされて、ふてくされる娘。
せ

一番印象的だったのは、敬虔な信者たちの姿。
イエスの遺体が置かれたとされる場所に、膝まづき、頬をよせる人々。
信仰をもたない私は、なんだかちょっと戸惑ってしまう。
す

一方こちらは、ユダヤ教。イエスを救世主と認めていない方々。
「嘆きの壁」と呼ばれる彼らの聖地、かつての神殿跡の前では、熱心な姿が。
さ

でもガイドさん(キリスト教徒)は、この場所を最初はスルー。「見たいよ」と言うと、「え?ここ興味あるの?もちろんいいけど」

イスラム教の岩のドームにいたっては、遠くから指差して「あれだから」。
そ

このガイドさん、キリスト教徒だけどアラブ人。ベツレヘム在住、つまりパレスチナ自治区在住。この状況下、自治区での生活は色々困難ながら、キリスト教徒の威信をかけ、聖地を守るべく留まっているらしい。そして、「そんなキリスト教徒の助けになるから」と土産物屋に連行されたのでした。。。

これが、パレスチナ自治区とイスラエル間の壁。
こ

往来は制限されていないけれど、ライフルを持った兵士のチェックがある。
この兵士の大半が、いわゆる屈強な感じではなく、ごく普通の若者。私服っぽいポロシャツを着ていたり、念入りにアイメイクをした女性も。ライフルが日常に溶け込んでいるなんて、気持ちがいいものではない。


イスラエル内のマサダ遺跡。砂漠に立つ要塞。絶景!砂漠なのに共同浴場まで!
お

え

ここは、はるか以前、ローマ軍に攻められたユダヤ人たちが集団自決した場所。今では、軍の入隊式が行われるそう。悲しい歴史と強烈な民族意識を刻んだ地。


気分一転、国立公園へ。探検気分で岩山を登ると、美しい滝。
か

き

く

死海!ウワサ通り本当に浮きます。膝を抱えたりしても。
け

ヨルダン側から見た景色。名前とは裏腹に美しい場所でした。
い

あ

今回の旅は、単純に楽しかった、というより、とにかく濃かった!
すぐ隣にいるのに、まったく異なる思いを抱きながら、各々の神を崇める人々。
国の中にそびえる壁。
世界の縮図の一部を垣間見たような気持ちでした。