お笑いタレントで、昨年１０月にカンボジア国籍を取得した猫ひろしさん（３４）＝本名・滝崎邦明＝のロンドン五輪男子マラソン出場について、国際陸上競技連盟（ＩＡＡＦ）は８日、資格を認めないとカンボジア陸連に通達したことを明らかにした。猫さんがカンボジア代表として国際大会に出場できるのは、国籍取得後１年を経過する今年１０月１８日以降で、ロンドン五輪には出場できなくなった。
ＩＡＡＦ競技規則に、代表経験がない選手については国籍取得後１年を経ないと出場できない、という項目が今年から加わった。ただし、現地に１年以上継続して住んでいるか、ＩＡＡＦ理事会が特別に認めた場合は例外として代表になれるとしていた。
ＩＡＡＦのニック・デービス広報部長によると、カンボジア側からは猫さんに関して１年という期間を短縮してほしいという要望があったが、短縮すべき特別な理由は見あたらないとして、７日付の文書で退けた。カンボジアのプノンペン・ポスト紙によると、カンボジア五輪委員会幹部は「国際陸連の決定に従わなくてはならない。彼（猫さん）はロンドン五輪に出られないだろう」と話したという。
猫さんは２月の別府大分毎日マラソンで２時間３０分２６秒を記録。五輪参加標準記録には及ばないが、ひとつの国・地域でだれも標準記録に達していない場合、男女１人ずつがどれかの種目に出場できるという特例を使い、カンボジア五輪委員会は猫さんを代表に選んでいた。
別府大分毎日マラソンで２時間３０分２６秒で走った猫ひろしさん