あくまで個人的に僕が思っていることは、と前置きして綴りますが、
曲想も大切ですし、歌詞の意味は理解して歌唱する事も大切です。
ですが、上記を活かすには何よりもまずは身体を楽器として機能させること、どの音域もストレスなく歌唱できるようにしてから行う事が何より重要だと考えています。
センテンスとしては、上顎・口蓋垂・舌の位置、声の始まりの意識(場所)、Aスポットの空間、プントの位置、ハイチェストの保持、背中と腰の神経連鎖、顔の外に筋肉があると信じて後ろから前に声を連れてくる意識、などが挙げられます。
アジア人である僕が欧米人と同じように歌うには、まずは同じ空間や口蓋の位置を設置する事が不可欠です。
同じ形でない以上、彼らと同じ意識を持つその前に、同じ形にする必要があります。
その状態になって初めて彼らの言う「もっと前で」という言葉をそのまま取り入れる事ができると感じています。
spazioを保持しないで、歌いやすく細く響く場所のみ意識して歌唱していると、中音域が華奢になり、倍音が失われてしまいます。
身体を楽器に、そしてそこから生まれる音楽的なパフォーマンスが豊かであれば大成功です。
あくまで、個人の意見ですが(笑)
なので、僕のところに来る生徒さん達にはプロアマ関係なく上記の僕の考えを共有してもらっています(いい迷惑かもしれませんが笑)。
でも一つずつ物理的に実際どこが動くのかという意識と、それに合わせるイメージが合わさって体現出来てくると、アクートは決まり、中音域も豊かになってきます。
物理的に実際身体のどこがどのように動いて、それにどのようなイメージを重ねるのかの繰り返し。
基礎的な部分ではありますが、一つずつでも押さえてくると自覚が芽生えます。
2020年2月に「カルメン」ホセ役を歌った時、リハーサルも通して自分の不甲斐なさに悩み、限定的な期間ですが絶望を感じていました。
悩んでも答えは出ないし、終演後すぐに、まずは自分の今までやってきたことや、今意識している事を捨てて、新しい門を叩いて基礎からやり直しました。
もちろん全てを捨て切ることは、人間の意識的なものが多く含まれているので難しく、かなりの痛みを伴いましたが、それでも発声に関してとても大きく変化をもたらしました。
今思うと、実はやっていることはそこまで大きく変わるものではないのですが、イメージと意識の角度が違う感じ。
もちろんこの道に終わりや満足感はなく、まだまだ先の道を見ながら精進を重ねるつもりです。でもそれが楽しく生き甲斐にもなっていますね。
この件についてはまだまだ書き足りないのですが、今日はこの辺で。