この記事、2ヶ月に書いていたのに、

載せていなかったなあ。。


ということで、今さらですが、載せます。。




やっと、読み終わりました。


かなり時間がかかりました。。

合間合間に、ほかの本を読んだりもしてたので。。



時間がかかったのには、もうひとつ理由があります。


この本、というか、この作者の文体です。


文章の作り方、言い回しに独特の特徴、クセが

あります。

まずコレに馴染めないと、読み進むのが

しんどいと思います。



それと、猟奇的というのかな、

スプラッター的な描写もあります。


綾辻行人の「殺人鬼」ほどではないと思いますが。。



例えば、こんな描写。



  ぷすっ、という音がして、ルツィアのこめかみが

  マシュマロのように膨れ上がる。

  間延びした一瞬、ああ、炸裂弾頭だな、と奇妙にも

  冷静に判断していた。

  膨れ上がったこめかみがトマトのように割れて、

  真っ赤な血と脳とが、正面にいたぼくの顔に飛び散った。

  ルツィアの額から左目がきれいになくなって、

  ぽっかりと空洞になっている。

  右半分に残されたルツィアの脳味噌が、その空虚に

  零れ始めた。





核爆弾によりサラエボが消失した近未来。


9.11以降の、”テロとの戦い”は転機を迎えていた。

先進諸国は徹底した管理体制に移行して

テロを一掃したが、後進諸国では内戦や

大規模虐殺が急激に増加していた。

米軍大尉クラヴィス・シェパードは、

その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、

ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう。




この本は、一応SF小説という括りに入れられていますが、

かなり異色のSF小説だと思います。

そして、「虐殺器官」という言葉の持つ意味、

ジョン・ポールが世界で虐殺を起こす理由、

幾度となく人の死に遭遇してきた主人公の内面、

そして、人の「生と死」の境界線、

物語の中で多くの「何故」が語られるあたりは、

ミステリ小説とも、サスペンス小説とも言えると思います。




本のあとがきにこんなことが書かれていました。


  さしずめ、押井守「機動警察パトレイバー2」の未来で

  コッポラの「地獄の黙示録」を再演したような------

  と言えば当たらずといえども遠からずか。


  小説・映画・アニメ、あらゆる媒体の作品を

  貪欲に吸収しサンプリングしながら、伊藤計劃は、

  これまで日本には存在しなかったタイプのSF長編を

  書き上げた。




私が最初の数十ページを読んで、この本に

「攻殻機動隊に通じる世界」を思い浮かべたのは、

あながちハズれてはいなかったようです。