鏡は要らない。 鏡の、やうな、澄んだ、心で、 私も、ありたい、ものです、な。 鏡の、やうな、澄んだ、心で、 私も、ありたい、ものです、な。 鏡は、まつしろ、斜から、見ると、 鏡は、底なし、まむきに、見ると、 鏡、ましろで、私をおどかし、 鏡、底なく、私を、うつす。 (なんにも書かなかったら 3) 未完詩編 中原 中也 鏡が心なら、 鏡が私をおどかし、 鏡が私をうつすなら、 鏡は、怖い。 だから、 鏡は、要らない。