昼寝して起きたら、お腹が空いた。
ハロッズのビスケットがあったので、開けてみよう。
これが、大英帝国のビスケット。
尾形光琳の「八橋蒔絵硯箱」には、敵わないかな・・。
何といっても、国宝だものねえ。
からころもきつつなれにしつましあれば
はるばるきぬるたびをしぞおもふ
(伊勢物語 第九段 三河国八橋)
むかし、男ありけり。
その男、身をえうなきものに思ひなして、
京にはあらじ、東の方に住むべき国求めにとて行きけり。
もとより友とする人、ひとりふたりして、いきけり。
道知れる人もなくて惑ひ行きけり。
三河の国、八橋といふ所にいたりぬ。
そこを八橋といひけるは、水ゆく河の蜘蛛手なれば、
橋を八つ渡せるによりてなむ八橋といひける。
その沢のほとりの木の蔭に下り居て、
餉(かれいひ)食ひけり。
その沢に、かきつばたいとおもしろく咲きたり。
それを見て、ある人のいはく、
「かきつばたといふ五文字を、句の上に据ゑて、
旅の心をよめ」
といひければよめる。
からごろも 着つつなれにし つましあれば
はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ
とよめりければ、みな人、餉の上に涙落して、ほとひにけり。

