(長いですが、※の部分は是非読んで欲しいです。)



題は東洋経済から拝借いたしました。




昨夜、どうやら尖閣での漁船衝突ビデオが流出したそーっすね。

一般公開すべきだと個人的には思っていたけど、外交カードとして公開はまだ控えるって手もあるんじゃないという考え方にも一理あると感じていた矢先だったので、あれまーという感想。まぁ時間が経つと効果が薄れる可能性もあるし、まぁ別にいいのかな。

というか、今回のこれは公開ではなく流出だったか。どんな背景があったか、気になるねぇ。




この出来事とは関係なく、中国に関してとやかく言うのならもうちょっと勉強すべきかなと思って、本屋でタイムリーな雑誌を手に入れました。ていうかむしろ、特になんの知識もなく発言してしまってごめんなさい。こういうのを厚顔無恥っていうんですかね。













尖閣沖漁船衝突問題の前提としては、尖閣諸島の領有権の問題がメインなのかもしれないが、もう一つ争点として日中漁業協定というものがある。東シナ海での漁業に関する日本と中国のお約束のこと。ここでは、尖閣周辺の海域は「暫定措置水域」となっている。この「あいまいにしておこう水域」では、相手国の違反を発見したら、注意するか、それでもダメだったら相手国に通報しなさいっていうルールになってる。


中国側の一つの主張としては、この地域周辺で起きた国際問題を勝手に処理しようとした日本の司法に文句があるというところ。


しかし詳しく調べると、尖閣諸島は暫定措置水域に含まれていない(水域は緯度で正確に決められている)

つまり、厳密なルールに従えば日本の司法に決定権はあると考えられる。


中国にとっては、ここで日本の法の下に船長が裁かれるという事実は、尖閣諸島の日本の領有権を認めてしまうという一つの事実となる。これは中国にとっていただけません。それゆえ、起訴前の解放を求めた。





といった経緯なんですかね。ここまででわかってることで、日本の悪いところってなんだ?(^^;)

第一、「あいまい海域」で勝手に日本の司法で裁くな!という主張が最もだとしても、それは論点のすり替えに他なら無いと思います。既成事実として、「漁船が海保に衝突してきた」という事実が証拠付であるんですから。

うーん、中国側の主張をもっと色んな観点から知りたいけれど、それでも日本が非を負う面は見つかるのだろうか。















しかし、この日中の軋轢は日本にとっては確実にいいものではないです。

感情として、誰もが憤ってしまうのはこの場合当たり前かもしれない。このまま引き下がっては弱みを見せることになり、中国に付け入る隙を与えるだけで外交的に日本の立場は弱体化の一途をたどるかもしれない。


でも長期的なスパンで考えると、このままでは将来の日本の経済が弱くなります。ほぼ確実に。

中国は10~20年もすれば、世界一のGDPを誇る超大国となる観測が今マジョリティです。その中国と経済に関して結合力が弱くなることは、直接日本の経済に大ダメージ間違いなしです。中国人の気質として、コネは大事です。中国国内でビジネスをするなら、統治当局とのコネは非常に重要になるとのことです。経済と政治を切り離して考えていい国ではないんですねー。


大事なのは、相手国の価値観を理解することです。しかし、意見に屈してはいけない。こちらも堂々とした意見を冷静に放つ。腐れ縁と捉えるしかないです。







最も重要なこととして、日本メディアで見られる中国人の過激な発言などは、マイノリティーだという事実も頭にいれておくべきことの一つです。結局メディアは、見てくれればいいんです。過激な発言は、えてして白熱し面白いですからね。

中国メディアは事実上、政府の管理下にあります。つまり、表に出てくる情報は中国政府の検閲を受けたものばかりであるので、中国政府の意向に反する発言は削除されています。



中国ではツイッターには容易にアクセスすることができません。中国国内の普通の人はツイッターにアクセスすることができないと考えていいです。その代わり、「新浪微博」という、えせツイッターなるものが中国にはあります。なぜツイッターにはアクセスできず、えせツイッターが用意されているか。説明するまでもないと思いますが、ツイッターは中国が管理できないほど大きなものになってしまい、事実上言論の自由が100%保証されている場だから、政府にとっては都合が悪いわけです。もちろん、えせツイッターでは、政府の検閲があります。


しかしツイッターへのアクセスを完全に遮断するのは困難で、中国では海外情報に敏感なIT関係者やジャーナリスト達が中心となって、政府のアクセスブロックシステムをかいくぐっている人たちがいます。それほどまでして、「つぶやく」必要がある人たちです。そうした人たちがユーザーなわけだから、中国人の「つぶやき」は高度で政治的であり、より真っ当な意見と考えられます。


事実、中国人のつぶやきの中には「釣魚島が中国のものかどうか宣言する前に、おまえの家が建ってる土地を自分のものだと宣言してみろよ!」とか、「子供のために安全な食品が手に入るんだったら、日本領になった釣魚島に引っ越したいくらいだ」とか、「自由と人権さえ守ってくれれば、俺はそれがどこの帝国主義に属する土地だろうがかまわねぇよ」という中国人のつぶやきもあるそうです。


例えば、上記一つ目の発言は、尖閣問題に関して過激派の中国人に宛てたつぶやきと捉えることができます。中国では、日常的に強制的、暴力的な土地収用が行われ、住み慣れた家を追い出された人たちがいることを知ってるからこそ出てくる声です。 間接的に政府批判の一つでもありますね。

ここから考えられるのは、国民の多くは尖閣諸島がどの国のものかよりも、より安定した生活を送る事に関心があるのではないか、ということです。


ナショナリストだけでなく、リベラリストは確実に国内にいます。中国の民主主義は死んだわけではない。







こういう事実が、少しは反中感情を和らげてくれればなぁと思います。