僕は毎日、夢を見る。
決して見たい訳では無い・・・
僕が、僕自身に「見させられる」のだ。
登場するのは、何故か決まって同じメンバーである。

僕にとって夢とは、
無限に続く逃れようの無い悪夢なのだろうか。


■(2009/9/28) メッシュ

民家の和室、こたつに入る僕。
知らないオバチャン連合と、茶飲み会談。

まだ来ない高田を待っている。
遅い・・・何をしているのだろう。
何杯か茶を飲み、だらだらとした時間が過ぎる。

チャイムも鳴らさず、高田が遅れてやってきた。
「すみません、髪型が決まらなくて・・・」

・・・ワックス以前に、自然の猛威に遭った
と言うべき印象のヘア
だいぶ伸びた高田の髪は、肩にまで達している。

「お前、少しは切るか、染め直すかしろよ」と僕
「ちゃんと、やってきたんだよぉ!」と高田

ほとんど黒髪となった、伸びきった髪。
「ほらぁ、メッシュだよ」

茶と黒のスイカ版とでも言おうか・・・
メッシュと言うより、昆布巻きだよ色彩が。

染め直そうと、取り押さえる。
オバチャン連合も、協力して高田をホールドする。

いきなり、目から火花!
と、同時に衝撃波!
あちらこちらから、短い悲鳴があがる。

高田が、スリッパで反撃。
「何すんだよ#」と、キレる僕ら。
頭がヒリヒリ痛い
加減と言うことを知らないのか・・・こいつ!

「メッシュにしてきたのに、メッシュのスリッパが
 こんな汚いんじゃ、話になんねーだろぉ!」
と高田が吼える

僕は意味が分からず、頭をさすりながら、
ポカンと口を開けたまま、高田を見上げる。

確かに、高田の手に握られるメッシュのスリッパの裏は
こ汚い・・・・

オバチャン連合と会議を開き、
高田withメッシュ・スリッパ を発足。

世界のスリッパの裏・・・
人の為に働きながら、報われる事の無いスリッパの裏
それをクリーンにする事が採決された。

手に手に雑巾と洗剤を持ち、
世界各国へ飛ぶ為に、僕らは空港へ・・・

高田は、空港で僕らに手を振り
熱いエールを送る。

荷物検査で、僕のスリッパがスキャンされる番が来たんだ
心臓が、早鐘の様に・・・

・・・・・ピピピヒピ(目覚ましアラーム)

・・・・・僕は明日も夢を見るだろう。
明日も明後日も・・・ずっとずっと。